【連載】誰も語らないパチンコの中の“アニメ” 第1回

パチンコ『エヴァ』がアニメタイアップを革命した 誰も語らないパチンコの中の“アニメ”

 エヴァンゲリオン(以下、エヴァ)のパチンコ台があることは、あまりパチンコを知らない人でも知っているだろう。それくらいこの台はヒットした。初代『CR新世紀エヴァンゲリオン』は12万台超を売り、現在8代目までシリーズ化されていて、最盛期の「最後のシ者」(シリーズ第5作)は23万台以上を記録している。パチンコ台の場合、おおむね5万台でスマッシュヒット、10万台で大ヒットといわれているから、この数字はやはり化物級シリーズといっていい。実際、その人気はすさまじいものがあった。エヴァの新作が出るといったら、パチンコ店に朝から長蛇の列ができ、しばらくの間満席。常に立ち見がいるくらいの時期もあった。

 パチンコとしてのエヴァのすごさというのはいろいろとある。特に初代は、「突然確変」といった機能の搭載など、パチンコとしてのスペック面でその後のトレンドを作った部分も大きい。

 だが、エヴァがすごかったのは、「キャラパチ」の域を超えて、『新世紀エヴァンゲリオン』という作品の世界観を、パチンコ台の中に再現しようと踏み込んだところだといえる。

 初代エヴァでも、もちろん「キャラパチ」的な部分は存在する。初号機がサキエルのATフィールドを数字と一緒に引き裂いたりといった具合だ。

 だが、初代エヴァは同時に「ストーリーリーチ」という演出を、パチンコに盛り込んだ。この演出はテレビシリーズのラミエル戦(いわゆるヤシマ作戦)と、イスラフェル戦(初号機と弐号機のユニゾン攻撃!)の2種類があり、大当たり期待度の高い“激アツ演出”なのだが、このストーリーリーチではパチンコの図柄が画面の隅へと追いやられ、画面はほぼ原作のアニメーションがそのまま流れるような演出になっている。そして、原作通りエヴァが使徒を殲滅すれば大当たりとなる。

 この演出は今でこそ一般的となり、9年も前の初代の演出を見直すとわずか15~20秒程度で本当にあっさりしたものと感じるのだが、当時はとにかく新鮮だった。何しろ、パチンコというゲームの勝敗を左右する図柄そっちのけで、アニメが流れるのだ。たぶん、多くのパチンコユーザーが初見では戸惑ったに違いない。アニメ演出が終わるといきなり数字がそろっているので、どこで大当たりが決まったのかわからないのだ。そして、「大当たり」「FEVER」といった文字を表示することなく、すぐさま大当たりラウンドへと移行。流れるのはもちろん「残酷な天使のテーゼ」とテレビシリーズのOP映像だ。

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