“黒のカリスマ”蝶野正洋が、プロレス界の暗部に斬り込む!「今こそ業界をバッサリ改革すべき」

“黒のカリスマ”蝶野正洋

――それを難しくしている要因は、どこにあるんでしょうか?

蝶野 「あの団体とは一緒にやりたくない」っていう上層部同士のぶつかり合いもありますし、会場の問題もそうですね。会場となるホールや体育館は1年前に押さえて、2~3月前までキャンセルを受け付けるんですよ。だけど、それが今では大きい会場でもイベントが少なくなってきて「半年前に確定の内金を入れてください」という状態。興行は変更になることも多いから、なおさら業界全体で年間スケジュールが立てづらいんです。でも、今の業界が衰退しているときこそ、お互いが歩み寄って全体の管理ができる時期だとは思っているんですけどね。

――今の若い選手に対して思うところはありますか? 著書の中では「怒りが足りない」とおしゃってましたけど。

蝶野 今の選手もオレらの若い頃もそうでしたけど、キレイな試合を組み立てたい、競技を見せたいっていう意識が強いんですよね。先日、全日本の解説に行って、ドリー&テリー兄弟のザ・ファンクス対淵(正信)さんと西村(修)の試合を見たんですけど、最初はザ・ファンクスの二人とも自分のいいところを見せようとしていて。もういい年なんで、それでいいと思ったんですよね。ところが、淵さんのキックがドリーの口に入って出血した途端に、ドリーの戦い方が変わったんですよ。ドリーはもう72歳なのに、カーっとなっちゃって(笑)。

――ドリーほどの技術と経験を持っている選手でもそうなってしまうのが、プロレスなんですね。

蝶野 もうジジイなのに(笑)。現役選手には勝てないけど、相手に立ち向かっていくあの気持ちはプロだと思いましたね。闘争心に火が付いたところで初めて戦いが始まるのがプロレスなんですよ。

――近年、蝶野さんは試合への出場を控えめにしていますけど、その怒りやフラストレーションはどこで発散しているんでしょうか?

蝶野 今は若い選手の相談に乗ったり、攻防面でのアドバイスをしたり、選手を焚きつけることで発散してます。「ここはチャンスだぞ、やってしまえ!」と(笑)。

――蝶野さんが若い頃も、そうやって焚きつけられてたんですか?

蝶野 オレは焚きつけられた選手を仕向けられるほうだった(笑)。三銃士は好き勝手にやってたから、上の人からしてみたら押さえつけるのが大変だったって。だからマサ(斉藤)さんなんかが、(ビッグバン)ベイダー、(クラッシャー・)バンバン(・ビガロ)、(スコット・)ノートンら外人選手をけしかけてたみたいで。相手に「マサが『あいつらは若いから何やってもいいぞ!』って言ってたぞ」って聞いて、「マサさんが!? なんだとコノヤロー!」って感じで、滅茶苦茶やられては、やり返して(笑)。

――確かに、その当時は激しい試合が多かったですね!

蝶野 ノートンなんか腕力はあるけど経験がないから、まともにやったらプロレスにならない。それでマサさんが「おいノートン、お前は力が強いんだから腕力だけでぶん殴ってこい!」なんて焚きつけてさ。武藤さんなんて、それでケガしちゃって。

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