斜陽のアーケードゲーム業界 生き残りのカギは老人にあり!?

 「若者のゲーセン離れ」も言われる現代だけに、次なる金のなる木として、支給総額17兆円という莫大な年金に目がいくのも当然の帰結なのかもしれない。ただ、メダルゲームは、やっている感覚としては、ゲームというよりも、パチンコやパチスロに近いものがある。ゲームセンターのメダルは換金や賞品への交換ができないため、パチンコのような射幸性はないものの、ビデオゲームとは趣きが異なるのも事実だ。

 そもそも、ゲームセンターが多くの街に誕生する嚆矢となったのは、爆発的なブームを巻き起こしたアーケードゲーム「スペースインベーダー」。当時のニュースによると、戦前生まれの政治家のセンセイ方も、100円玉を握りしめてお忍びで楽しんでいたというから、昭和期にすでに、「ゲームを楽しむ老人」が存在していたことになる。

 また、スペースインベーダーが発売された1978年に20歳前後だった年代は、現在50歳前後。この層が年金生活に移行するのは約10年後だ。 2020年のゲームセンターに、多くの60代ゲーマーが集う光景は想像に難くない。パチンコ愛好家の多い世代でもあり、パチンコの代替として、メダルゲームのあるゲームセンターに通う、ということもあり得る。
 
 ただし、高齢の利用者が増えれば増えるほど、若者からは見放される、というのは、あらゆる娯楽にとって共通のジレンマである。「若者の◯◯離れ」として語られる娯楽は多数。「競馬離れ」「パチンコ離れ」「ゲーム離れ」「ゲームセンター離れ」「テレビ離れ」「活字離れ」「映画離れ」「CD離れ」「酒離れ」、果ては「風俗離れ」「セックス離れ」まで。その結果、人口比率からは常に少数者となる若者層を無視したようなコンテンツが主流になり、さらなる「◯◯離れ」が加速しているのが現状だ。

 「スペースインベーダー」、「ストリートファイターII」、そして「プリクラ」が若者人気の牽引役となっていたこれまでのゲームセンターだったが、現在のアーケードゲームには社会現象となるようなヒット作はない。こうして、アイデアの枯渇した娯楽が、次々と「老人向け」に移行していくのが21世紀の風潮だとすると、どこか寂しいものもある。
(文=面長ナガオ/メンズサイゾー2011.01.16既出)

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