「絶対に売れてはいけないアニメ」とまで呼ばれた『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』をめぐる顛末記

 同サイトでは、1月8日の記事「大ヒット?ファン反発?の「ソラノヲト」など 2010年冬アニメに対する秋葉原の声」においてすでに、

【「(原作がない)オリジナル作品なんで、大コケする可能性がある」「やりすぎ、というか” あからさま”すぎるんでアニメファンが反発するかも…」という売れ行きを不安視する声や、「ノイタミナ(※3)に変に対抗せずに普通に出してほしい」「原作ナシで作るならダンスシーンかライブシーンを入れるべき(笑)」といった要望】

 に触れているが、この記事でも

【オマージュやパロディではなく、近年のヒットアニメの設定をあからさまにパクったような作風が特徴で、内容よりも宣伝やブランディングに力を入れている(※2)ことで良くも悪くも話題になっている】

 と批判的なトーンを隠さず、さらに

【ただし、アニメファン側としては、”絶対に売れてはいけないアニメ”(=もしも業界に” 売れた”と認識されてしまった場合、同様の”オリジナル作品”が世にあふれ出してしまう)という意見が強いと思われる】

 と、本作が客観的にもひどく嫌われているかのような書き方で締めくくっていた。

 このことが、「悪意に満ちている。企業の運営するサイトに載るレベルではない」「主語が大きすぎる。勝手にアニメファンの総意を代弁するな」「筆者が売れてほしくないと思うのならそう書くべき。『アニメファン側』を持ち出して、自分の意見として言わないのがむかつく」などと、ネット上で多くの反発を招いた。26日には「ただし~」以下の部分が削除され、「行き過ぎた表現」に対する謝罪・訂正文が掲載されている。

 なお、BD/DVD第1巻の実際の売り上げだが、オリコン発表の4月5日付BD総合チャートによると、発売初週の売り上げは3,057枚で第8位。DVDは数百枚単位であることが予想されるものの、他の1月新番組を含めて多くのアニメBD/DVDが発売された激戦週において、原作の付かないオリジナル作品としてはなかなかの健闘ぶりだ。スペインへロケハンまで敢行した背景美術がたいへん美麗だったことに加え、作画そのものは終始丁寧で、最終回まで一定以上のクオリティをキープしていたことがBDでの鑑賞欲求につながったものと思われる。

 仮に、主観ではない「アニメファン側」の意見を想定するならば、売り上げデータなどの客観的な数値を見るしかないが、結果を見る限り、このような”オリジナル作品”もやはり望まれていると言えるのではないだろうか。

 敢えて筆者の主観的意見を述べさせていただくならば、リスキーなオリジナル企画がすっかり影を潜め、ある程度の売り上げが見込める原作付きアニメばかりとなった昨今、売れ線の要素を取り入れてでも意欲的なオリジナル作品を世に送り出す「アニメノチカラ」の姿勢は高く評価したいところである。
(文=有村悠/2010.04.03メンズサイゾー既出)

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