毎週2時間、読者と電話で話したことも……

BL史上初の快挙! 20年続く雑誌「MAGAZINE BE×BOY」の歩み

■アメリカに行ったら万歳三唱で出迎え

 2人は読者への感謝も忘れない。かつては、北海道から編集部を訪ねてきたり、毎週2時間電話してくる読者もいたのだという。

「(毎週2時間電話してくる読者は)ずっと入院されている方で病院からお電話を下さっていて、その方の頭の中では『MAGAZINE BE×BOY』のストーリーやキャラクターが現実の世界みたいに展開されていたんです。その時、作品の持つ力を実感しました。『自分はいつ死んでもいいと思っているが、○○作品の続きが気になる』とおっしゃって。BLでしか癒やせない何かがあると感じますよね。BLは愛を描いているから。こんな世の中でも……ちゃんと愛があるんだって思ったんです。そこに、ものすごく救われるんだろうな、と。私自身がそうだったので……。BLを本当に支えているのは読者さんですから。これからも何かあったら、いろいろ言ってきてほしいなと思います。どんな読者さんでもありがたいです。クレームはちょっとつらいんですけどね」(太田さん)

 いまやリブレ出版の読者は国内だけでなく海外にも広がっており、アメリカのYAOIコン(年1回のBLイベント)を訪れた時には、会場入りした作家と編集部は万歳三唱で出迎えられたのだとか。

「海外の読者さんだと、送料も含めると本の値段は日本の倍以上。それでも買ってくれているのは、信頼してくれているんだなって思います。アメリカだけでなく、中国の読者さんからも感想のお手紙がきますし、すごくいい文化交流ですよね。BLに携わる日本人は、誇りに思っていいんじゃないでしょうか?」(岩本さん)

 毎日雑誌を作っていて、気がついたら20年が経っていたと感慨深く語る2人。記念すべき創刊20周年特大号は、創刊から20周年の表紙を一挙公開する企画や、巨匠・魔夜峰央氏も執筆する豪華仕様だ。それにしても、もはや雑誌から「編集部に遊びにおいでよ」の文句がなくなったこの時代に、こんなに読者との距離感が近い雑誌はうらやましい。

(取材・文=昼間たかし 2013.03.08日刊サイゾー既出)

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