クラスメイト全員に地獄の苦しみを味あわせてやる…はずが??

スケールの小さい復讐に肩透かし…消化不良の『復讐教室』

 学校を舞台にした復讐劇というテーマは小説ではよく見られる。例えば『告白』(著:湊かなえ)。この作品は映画化もされ、映画の脚本でコミカライズも実現している。他には『そして粛清の扉を』(著:黒武洋)などもそうだ。

 これら2作品は教師による生徒への復讐劇だ。今回取り上げる『復讐教室』(原作:山崎烏/作画:要龍)は、生徒による生徒への復讐劇をテーマにしている。連載元は前回取り上げた『ドクムシ』と同じE☆エブリスタだ。これは期待が高まる。

 『復讐教室』第1巻のあらすじは以下のようなものだ。

 中学3年生の藤沢彩菜は、クラスで恐喝・脅迫・集団無視・暴力・レイプ……などひどいイジメに受けていた。ある日、イジメどころかクラスの誰かに交通事故を装って殺されかける。入院先の病院で彩菜は、蜘蛛の網にかかった蜂が自らの命と引き換えに、針を蜘蛛の胴体に突き刺して相討ちになった様子を見て、「耐えてももがいても同じ。最後にどうせ狩られるのなら、命をかけて狩り返す。クラスメイト全員に同じ地獄の苦しみを味わわせてやる」と決意する。28人のクラスメイトへの命がけの復讐が始まった――。

 復讐とあるのだから、てっきりクラスメート全員を悲惨で残酷な死の罰を与えるグロテスクな内容を期待していたのだが、それは大きく裏切られた。グロテスクな表現が苦手な人にはちょうどいいくらいなのかもしれないが、復讐のスケールが小さいのだ。

 復讐は毎回ターゲットの人間を決めて順々に行っていく。その記念すべき1人目となったのは、イケメンだけど心は外道の男子生徒。復讐内容は学校の不良生徒にボコボコに殴らせ、自慢の顔面を崩壊させるといったものだった。

復讐教室(1) (アクションコミックス)

復讐教室(1) (アクションコミックス)

グロ薄め!サバイバルホラー入門としてちょうどいいのかもね。

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