■BL・エロ出身作家がメジャー誌でもより主流に
C 『食戟のソーマ』の作画・佐伯俊は、かつて「COMIC快楽天」で、toshというペンネームで『めんくい!』『ハーレムタイム』(以上、ワニマガジン)などのアダルトマンガを描いていたそうですね。
B 生え抜き作家が多いジャンプでは、珍しいタイプですよね。
A 実は、「快楽天」はエロマンガ誌とはいえ20万部以上出していて、編集長も個々の作品に対するチェックがすごく厳しいらしい。掲載される作品の絵柄も、一般メジャー誌で通用するのは明らかだね。『エア・ギア』(講談社)を描いていた大暮維人も、もともとアダルトマンガでデビューしているし、同人誌・アダルト誌と一般誌の垣根がどんどんなくなってきているのが、最近の傾向。
C BL界隈では、ヤマシタトモコがBL向けから一般的な作品になりおしゃれ臭がきつくなったので、古参のファンが離れてしまっている印象ですね。最近でも『スニップ, スネイル&ドッグテイル』【5】でひさびさにBLを刊行したけど、あまり話題になっていない。BLファンはコミュニティの中で和気あいあいな空気が大好きだから、ヤマシタさんの今の方針は「裏切られた」という印象になるのかも。
A 僕はあんまりその方面については詳しくないんだけど、BLマンガ家は面倒でトラブルも多いイメージだ。
C ヤマシタさんは別格でいい人らしいですけど、BLマンガ家一般として言えば、普通のマンガ家よりも、センシティブな人が多いかも。献本する時も「梱包が汚い!」と言われたり、「わざわざ受け取り印を押させるような発送をするな!」とクレームを言ってくる人もいます。また、BLファンはマナーが最悪……。ストーカーのように、どうやって調べたのか、移動の際、同じ飛行機に乗り合わせたり、感情の赴くままに熱ーいファンレターが送りつけられることも。
A 怖っ!
B BL作家を一般誌で描かせるという流れは「ITAN」(講談社)などで確立されているけど、一般層にBLを読ませるという意味で雑誌「on BLUE」(祥伝社)は画期的でしたね。編集者がガチの腐女子だと思う。
C 雁須磨子、秀良子、えすとえむといった同誌のラインナップは、売れる売れないという感覚では担当できない。本当に好きな人でないと難しいと思います。
A ただ、ジャンルとして、いわゆるBLではなくても、ホモソーシャルのような男同士の濃密な関係っていうのは、好きでしょ。ヤンキーモノ、スポーツモノでも、男たちが濃密に関係をつくってストーリーが展開するものは読者の反応もいい。
B そういう意味で言うと、日本一のBLマンガ家は井上雄彦ですよ。『SLAM DUNK』(集英社)も『バガボンド』(講談社)も男たちが「お前強いな~」「お前もな~」ってイチャイチャしている(笑)。
C 板垣恵介だったら、格闘技は性のメタファーですからね。「格闘技はセクシーでないといけない!」という座右の銘があるとか。
『進撃の巨人』の裏側に関係者覆面座談会まで!マンガ特集「サイゾー」12月号が本日発売!!のページです。おたぽるは、マンガ&ラノベ、出版業界事情、サイゾー、匿名座談会の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
人気記事ランキング
人気連載