これぞヒーローアニメ!! 現代の大人たちの心が込められた『サムライフラメンコ』

――毎日、何本ものアニメが目まぐるしく放送されている現代日本。これだけ放送本数が多いと、見るのだって一苦労……。そんな悩める現代オタクのため、「おたぽる」がオリジナル作品を中心にテレビアニメ・レビュー! これさえ読めば、気になるあのアニメのあらすじから評判までがまるわかり!!※本文中には“ネタバレ”が含まれていますので、ご注意ください。

■『サムライフラメンコ』
第6話「サムメンコを捕まえろ!」

1311_samurai_6.jpg『サムライフラメンコ』公式HPより。

【今週の極私的見どころ!】
 キターーーーーー!! 第6話「サムメンコを捕まえろ!」を見終えた筆者の感想は、これに尽きます。脳裏に大漁の顔文字が流れたことは言うまでもありません! 全国の『サムライフラメンコ』(以下、『サムメンコ』)ファンも、こういうアニメを待っていたのではないでしょうか? 今週の何がいいって、今までにない「ザ・ヒーローアニメ」という雰囲気と、アニメ全体がイキイキしているところ!! こんなに“まとまっている”と感じられた『サムメンコ』は、6話目にして初めてです。観れば観るほど、ストーリーの持つ魅力が視聴者のツボを的確に突いてきます。

 作品自体は面白いものの、第1話から第5話までのストーリーは、どこか視聴者を置き去りにしている感が否めませんでした。ただ、第6話で脚本家が変わったことは、作品にとって吉と出たみたい。最初から最後まで余すことなく楽しんでください!

【今週のオススメ度】
★★★★☆
(前回のあらすじはこちら

 今日もサムライフラメンコは、街で正義の鉄槌をふるいます。師匠・要丈治(CV:小杉十郎太)仕込みの体術で、人に迷惑をかける悪を難なく撃沈! しかし、そこに現れたひとりの男に、サムライフラメンコこと羽佐間正義(CV:増田俊樹)は不吉な予言をされるのです。

「近いうちに、あなたは死にます!」

 え、何この人。宗教団体とかから来た悪の手先? と思った筆者の心を置き去りにして、羽佐間と謎の男はテナントビルの薄暗い室内へ……。男の名は、原塚淳(はらづかじゅん/CV:大川 透)。大手文具メーカー「モンスターズステーショナリー」開発課の人間だといいます。大手企業がサムライフラメンコになんの用? と訝しむ羽佐間に、原塚は「羽佐間の戦い方は防御性に乏しく、いつか致命傷を負うだろう」と告げるのです。それでも、正義のヒーローはひるまない! と言う羽佐間に原塚が一喝!!

「想いだけではダメなんです!」

 なんだか妙な“熱”を感じるおじさん。そんな原塚が差し出したアタッシュケースには、なんとサムライフラメンコ専用の装備が! サムライフラメンコ、パワーアップ!?

 その頃、真野まり(CV:戸松遥)の部屋には、後藤英徳(CV:杉田智和)が招かれていました。なんでも作曲のため、警官のコスプレをしてくれとまりが頼んだとのこと。しつこく懇願するまりに根負けした後藤に、まりは色仕掛けで迫っていきます!

「悪いまりを厳しく取り調べてください、お巡りさん(はぁと)」

 まりはドSではなく、実はドM!? しかし、胸元の開いたワンピースで迫るまりに、後藤は決然と言い放ちます。

「お巡りさんは色仕掛けに動じない」

 振られたまりは憮然としますが、後藤には愛する彼女がいるのだから仕方ありません。でも、写メすら出てこない後藤の彼女には、「妄想彼女」の疑いも……真相やいかに?

 一方、相変わらず町の巡回へと繰り出す羽佐間ですが、なぜかたくさんの人に囲まれてしまいます。いつも以上に殺気だった人々に追いかけられつつ、後藤からことの経緯を知らせる電話が入ります。なんでも、あるウェブ・ニュースサイトが、「サムライフラメンコの正体を暴いた人に賞金“1000万円”」という記事を打ち出したからだそうです。ひどいニュースサイトもあったものです!

 また、要にもSOSを出すも、「正義のヒーローは不滅だぁ!」という言葉を贈られただけ……。そろそろ羽佐間にも、“要は役に立たない”と気づいてもらいたいものです。

 そんな中、人の善意を利用して捕獲を試みた青年に、羽佐間はこんな言葉をかけます。「(ワナかもしれないと思っても)僕は何度でも駆け寄るよ」羽佐間の固い正義の意志が伝わってきます。

 その後、ガラの悪い男たちに行く手を阻まれてしまう羽佐間! 生命の危機を感じた彼は、サムライサンドイレイサー(砂消しゴム)とサムライロックペン(ノック式ボールペン)を取り出します。なぜ文房具!? 男たちがバカにする中、妙に手慣れた仕草でその2つを合体!

 次の瞬間――。

 ロックペンから発射されたサンドイレイサーは、敵の脳天にヒットし、敵は昏倒! 「フラメンシュート」と名付けられた技のわりに、まったく華やかさはないですが、なんか様にはなってます! この装備こそが、原塚が羽佐間に託した秘密兵器だったのです。ぬんちゃくのような武器や、ターザンばりのロープアクションができるメジャーなど、次々に登場するユニークな文房具たち。カッターを使った装備などは、もはや“防具”ではなく“武器”のような気もしますが、「使うのがサムライフラメンコだけ」ならセーフ……なのかな?

 その後、しつこく追ってきた先ほどの青年と一騎打ちになる羽佐間ですが、揺るがない正義の心で彼の気持ちさえも動かしてしまいます。

「ヒーローってホントにいたんだな」

 この言葉には、現実社会で生きる、現代の大人たちの心が込められているように感じました。キャッチフレーズにあった「大人になれない大人たちへ」はこの言葉につながっているのかもしれません。

 第6話は、アニメファンの間でも「初めて(サムライフラメンコを)カッコイイと思った」「こんなに面白くなるとは」と絶賛の嵐。まさしく真のヒーローが誕生した放送回でした!!
(文/牧野絵美)

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