腐女子狙いから百合へとシフト!? 個性的なキャラばかりの『サムライフラメンコ』

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――毎日、何本ものアニメが目まぐるしく放送されている現代日本。これだけ放送本数が多いと、見るのだって一苦労……。そんな悩める現代オタクのため、「おたぽる」がオリジナル作品を中心にテレビアニメ・レビュー！　これさえ読めば、気になるあのアニメのあらすじから評判までがまるわかり!!※本文中には“ネタバレ”が含まれていますので、ご注意ください。

■『サムライフラメンコ』
第5話「正義とは」

『サムライフラメンコ』公式HPより。

　第4話では、暴走娘・真野まり（CV：戸松遥）の登場で、サムライフラメンコの“正義活動”が“過剰防衛”になりつつあった。（記事参照）果たして、羽佐間正義（CV：増田俊樹）は、まりの暴走を止めることができるのだろうか。注目の第5話を振り返っていこう。

女性「誰か助けてー!」

羽佐間「待てぇ～いっ!!」

　強引なナンパの現場で、“サムライフラメンコ”羽佐間がお馴染みのポーズを決める。しかしその直後、かばったはずの女性に後ろから殴られ、羽佐間は地面に倒れ伏す。すかさず、賞金獲得のために正体を暴こうとする男たちに押さえ込まれ、正義のヒーローまたもや大ピンチ!?

――と思いきや、フラメンコガールが鮮やかに登場。決めポーズや決めセリフをさらにパワーアップさせた彼女は、あっという間に敵を一掃する。羽佐間はというと、フラメンコガールのほうが、サムライフラメンコより賞金額が大きかったことを知っていじけていた。

　そんな日々の中、特撮ヒーロー番組に出演が決まった羽佐間は、仕事が忙しくなるため、しばらくサムライフラメンコはお休みするとまりに伝える。かませ犬がいないのは困る、と激高するまりだったが、一方的に切られた電話を眺める口元には、不敵な笑みを浮かんでいた。

　その頃、後藤英徳（CV:杉田智和）は、“覆面の不審人物”への苦情を聞く部署「非認可正義行動相談室」へ抜擢される。次々と動画にアップされていく、まりの過激な正義行動を心配した矢先の出来事だった。

　一方、念願のヒーロー番組撮影の現場に意気揚々と出入りする羽佐間。ある雨の日、監督の撮った過去の作品について熱く語る羽佐間に、監督が言う。「今の仕事以外の話をされても答えてあげられないよ。私の仕事は、スケジュール通りに（番組を）納品することだけ」と。羽佐間は、憧れのヒーローまで薄っぺらな存在である現実に打ちひしがれていく。

　正義とは――？

　そんな羽佐間が20歳の誕生日を迎えた日、すでにこの世を去っている祖父（羽佐間大輔／CV: 菅生隆之）の友人から、大きな段ボールが送られてくる。箱の中には、祖父からの手紙と、架空のヒーロー「サムライフラメンコ」の設定資料や衣装が詰められていた。

サムライフラメンコは究極の、唯一の、そして絶対の正義である
サムライの強さと、フラメンコの情念を胸にまずは生まれよ。
サムライフラメンコ。
百億の敵とその百億倍の人々が君を待っている。

　祖父の手紙は、今の羽佐間にとって、何よりも大切な「熱き想い」と「進むべき道」を教えてくれた。

正義とは――！

　そして羽佐間は、自分の正義を貫くため、“フラメンコガール”との決別を決意する！

　個性的なキャラが多い『サムライフラメンコ』（以下、『サムメンコ』）の中でも、一際とんがっているのが、“フラメンコガール”だろう。アニメファンたちからは、「どう見てもまりが犯人ww」、「返り血浴びてる正義の味方ってww」と奇抜な行動に呆れつつも、愛されている様子がうかがえた。

　第5話では、毎度騒がれていた「腐女子歓喜パターン」のストーリー展開から「百合好き歓喜（？）パターン」に。まりと同じアイドルグループ「ミネラル★ミラクル★ミューズ」の森田萌（CV:山崎エリイ）が、マリのキス待ちをしていたのだ。（しかし、百合キスはなし）ネット上でも、「なんで、まりは萌にキスしないの!?」、「百合キスがないとすっきりしない」という、期待ともどかしさが入り交じった意見が多数あがった。

　筆者一押しのシーンは、なんと言っても羽佐間祖父からの遺言。完全なるギャグアニメだと油断していただけに、“孫を想う祖父の気持ち”には目頭が熱くなった。ただ、羽佐間祖父の中二病ぶりに、“子”ならぬ「カエルの孫はカエル」だと思った視聴者はたぶん正しい。

　しかし今回、視聴者の関心を根こそぎ奪っていったのは、まりのサービスカット「下着姿&半裸体」……ではなく、Cパートで登場した“フラメンコガールズ”。新星のごとく現れた彼女たち（ミネラル★ミラクル★ミューズ）は、一瞬で主役を喰らいつくす存在感を放った。なんともお後がよろしいようで。
（文／牧野絵美）