「ルックスのいいヒモ男を養っているみたい！」貢がずにはいられない“タイバニ”の試練

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──アニメ見ても、少年マンガを読んでも、海外ドラマを見ても！ 「もう世の中全部がBLにしか見えない」腐女子ライターによる、腐女子のための、コンテンツの“愛し方”。

アニメ版公式HPより

　2月に劇場版第二弾が公開予定の『TIGER & BUNNY』。2011年4月から9月まで2クールで放送され、大きなお姉さんたちの心を鷲掴みにした作品だ。放送開始時期を見ていただけたらわかるように、あの大震災直後の放送スタートとあってほとん宣伝が打てなかったにも関わらず、口コミでじわじわ人気を集め、最終回放送時にはUstreamの視聴者数が9万人を超えるほどの大ブレイクを果たした。

今回はそんな『タイバニ』を取り上げたいと思う。

突然変異で現れた「NEXT」と呼ばれる特殊能力者。彼らの一部はその特殊能力を活かし「ヒーロー」として企業に所属する。スポンサーロゴを背負い、犯罪者確保の瞬間をテレビ放送してもらい企業をアピールするのが仕事だ。そんなヒーローとしてデビューして10年になる鏑木・T・虎徹が、「落ち目」などと呼ばれながらも、生意気なルーキー、バーナビー・ブルックスJrとコンビを組むことになり、価値観の相違でぶつかりながらもお互いを信頼していくストーリー。

【高齢腐女子を虜にするアダルトなキャラクター】
　なぜここまで大きなお姉さんの心を掴んだのか。それはやっぱりキャラクターじゃないだろうか。主人公である鏑木・T・虎徹はおじさんヒーロー。男やもめで9歳の娘がいる子持ち。その妙にリアリティのある設定と、それなのに現実のおじさんにはいないようなスタイリッシュなルックス。ポール・スミスをモデルにしたツーピースに身を包み、長い足をアピール！　そして魅惑の細い腰……！　このアダルトなわがままボディをことあるごとにアピールするのである。“ガワ”と呼ばれるヒーロースーツのインナーで、9話ではバニーちゃん（バーナビー・ブルックスJr）の自宅で上半身裸を披露し、そして13話では乳首を解禁。だめ！　見ただけで妊娠しちゃう！

【バニーちゃんのツン→デレ変化】
　そんなアダルトなおじさんとコンビを組むバニーちゃんのツンデレっぷりも目が離せない。ハンサムだけど生意気で、正義感からヒーロー活動を行う虎徹に対して、バーナビーは両親を殺した犯罪組織を捕まえるためだけになったビジネスヒーロー。その姿勢から、第一話から虎徹のことを「おじさん」と呼び対立するが、話数を重ねるごとに打ち解けて行く。しかもその打ち解けっぷりがすごい。第8話ではバニーちゃんをかばった虎徹のゴミを持ち帰り、第9話では今まで誰にも見せたことない両親の捜査資料を虎徹に披露し、一晩一緒に過ごす。そして一期で完全に和解し、二期では一期のツンツン呼びが嘘のように「虎徹さん」呼びに変化。そのフリ幅、ずるい……！　特に一期から二期の間が、物語上6カ月空いてることになっているのだが、その間に「バニーちゃん、おじさんとの妊娠、出産を経たのでは？」「虎徹を見る目に慈愛を感じる」と話題になったほどだ。

【貢ぎがいのあるグッズ展開】
　そしてタイバニは腐女子の愛をお金で測るかのようなグッズ展開も魅力のひとつ。ぶつけどころのない愛を、お金に変えて公式にぶつけたい！　札束で2人のほおを叩きたい！　そんな欲求をストライクに叶えてくれる価格設定。たとえば虎徹がつけている腕時計をモデルにしたグッズは、レッドモンキーとコラボしてお値段約4万円。虎徹モデルのシューズは本革使用で約2万円。学生には手が出せない強気の価格設定にしびれる～！　もっと！　もっと貢がせて～！　という愛に飢えてるがお金はあまっている高齢腐女子狙い撃ち！　働く気力も湧くってもんです。

　このように、愛だけでなく試練を与えてくれるタイバニ。まるでルックスのいいヒモ男を養っているみたい……！　放送終了後も、グッズ展開や映画情報をコンスタントに出して私たちの愛を引き止めてくれるのもいい。2月までガンガン働いて、虎徹を養うぞ☆
（にほちん）