「聖地巡礼」の元祖作品『究極超人あ～る』から見える成功のコツ

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とりあえず伊那市に来たらローメンを食べないと、はじまらないよ。

　かくて、イベントは盛況に終わり、参加者は、ローメンの名店「うしお」で超々大盛りを注文し、疲れを癒したのである。

　……このように、限りなく低予算の聖地巡礼イベントは2回とも100名を超える人々が集まる、この地域としては規模の大きい催しとなった。聖地巡礼がホントに成功といえるのは、作品人気で客を集めるのではなく、その土地自体のファンになってもらうことにある。それは、けっこう困難な作業だ。

　これまで、マンガ・アニメ・映画などさまざまなコンテンツを利用した地域の町おこしを取材してきた。どこの地域でも、地域の魅力を知ってもらって滞在してもらうというところまでは考えるのだが、肝心なのはこのあとだ。確実に失敗するのは、東京などの大都市から観光客を呼び込もうとするやり方。「うどん県」のような成功例はあるけれど、有名なアーティストを呼んで作品をつくってもらうような手段を用いたところは、だいたいコケている。要は、作品自体に寄りかかると、作品がコケたらすべてがオジャンとなるわけだ。やはり、作品を単なるきっかけだと割り切って、地域の魅力をアピールできるか否かが重要なポイントといえる。

　そして、もうひとつガツガツしないのも重要なポイントとなるだろう。作品人気で観光客が増えたのを見て、ここぞとばかりに乗り出しすぎると、やっぱりファンは離れてしまう。

 
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