Onipunks Studio Inc.の『C-WARS』も押さえておきたい。本作は、マス目が入ったフィールド上のキャラをリアルタイムで操作するシミュレーションゲーム、いわゆるRTS(Real-time Strategy)と呼ばれるジャンルのゲームだが、見た目や操作感は日本のゲームと遜色はない。というのも、CEOである周魯氏自体が日本のゲーム、アニメの大ファンだからだ。彼は、目を輝かせながら「幼い頃から日本のカルチャーに親しんできた自分は、日本的なゲームを作りたかった」と語る。そんな本作だが、インディーズゲームながらアプリゲームとしてのみならず、PSVita、ニンテンドー3DS、WiiUでの配信がすでに決定している。ゲームショウが閉幕した9月22日夜、ソニー・コンピュータエンタテインメント SSJ品川ビルにて、国内外のインディーズゲーム開発者による交流会「INDIE STERAM」が開催されたことからもわかるように、ソニー陣営は今後、よりインディーズに開かれた展開を目指していることがうかがえるが、海外では任天堂も同様のようだ。
その他、各インディーズメーカーとも、技術力やゲーム内容は違えどいずれも意欲的なアイデアを盛り込んだタイトルを展示。インディーズゲームコーナーは新しいゲームを求めるエッジなゲームファンで終日ごった返していた。さながらファミコン時代、もしくは90年代半ばの次世代ゲーム機戦争時代を思わせる、活況ぶりである。特徴として、出展メーカーの大半が台湾のメーカーだということ。そして、プラットホームにスマホアプリを選んでいた点が挙げられる。ハードメーカーとのライセンス契約の必要もなく、ダウンロードサイトに登録されれば国境の壁を越えて全世界のユーザーに売ることができるアプリゲームのハードルの低さは、確かに新たにゲーム事業に参入しようというインディーズメーカーにとっては魅力的ということだろう。その中でも特に親日国として知られる台湾のメーカーが、続々とゲームショウに出展するのは自然の流れというべきである。大手メーカーの大資本を投入した、ハイエンドなゲームハードや見目麗しい大作ゲームを発表する一方、会場の片隅で次世代のゲームシーンを盛り上げる萌芽を感じたのは筆者だけではないはずだ。今後、アジアのインディーズゲームが世界を席巻することとなるのか? 今後もこの新しい潮流に注視していきたい。
(文/カトリーヌ金剛)
■『Space Qube』
http://spaceqube.lynxengine.com/
■『スライディングエンジェル』
http://www.childhood.com.tw/Introduction/jpabout/jpsliding/jpsliding.html
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