「俺たちの”ゴールデンタイム”を守れ!」法政大学で学生が奮起!?

 さて、日本におけるオタク文化の隆盛は、資本主義の結果ともいえる消費文化の産物であるともいえるが、実は学生運動やっているけど、コミケも行くオタクもやっているという人は実に多い(学生運動自体もサブカルだし)。

「俺たちのゴールデンタイムを守れ!」法政大学で学生が奮起!?の画像2今年春、法政大学文化連盟主催の祭典で盛り上がる学生たち。

 前出の法政大学文化連盟でも、番組改編期に「文化連盟が今期オススメするアニメ」を決定するのは、重要な政治的課題(?)として位置づけられている。そのためか、ビラにオタク趣味が現れることもしばしばある。筆者は以前、中核派のビラにザクが机を叩いているイラストを見たことがある。やはり、左翼はジオン軍にシンパシーを感じるのだろうか? さしずめ、ザビ家は日本共産党で、自分たちはシャアか? 赤いし。
 
 今回は作品が学生運動を奮起させたという特異な例だが、学生運動自体、モラトリアムの要素があるのか、多くのマンガでも描かれてきた。そればかりか、オタク業界で名を成した人の中にも学生運動の経験者は大勢いる。現在は、京都精華大学で教鞭も執っている竹宮惠子氏が徳島大学教育学部(現・鳴門教育大学)在学中に、学生運動に熱中して、数年間マンガをまったく描かなかったのは、業界ではよく知られる話だ。安彦良和氏は、学生運動が原因で大学を除籍になっている。

 学生運動ではないが、スタジオジブリの宮崎駿氏は東映動画時代には労働組合の書記長に就任。会社側と激しい闘争を繰り広げつつ、その間にも『太陽の王子 ホルスの大冒険』を作り上げていたというから、ある意味超人である。

 そうした学生運動経験を持つ人々の中で、ちょっと変わった存在なのだ『GOD SAVE THE すげこまくん!』(講談社)『みすて(ハート)ないでデイジー』(アスキー)などの作品がある、永野のりこ氏だ。実は、以前、ウィキペディアの氏の項目には法政大学在学中に学生運動を行っていたという記述があった(現在は消えている)。そこで、氏に会ったときに「どのような活動をしていたのか」尋ねてみたところ、驚くべき答えが。

「たまになにかあるときに、ヘルメットを被ってたくらいで、活動家だったわけじゃないんです」(永野氏)

 かつては、多くの大学で見られたが学生運動というのは、熱心な活動家ばかりではない。なにかデモがあったり、学内でロックバンドのライブなり活動家系の学生主催のイベントがあったら、顔を出すというユルい人々も大勢いた(むしろ、そっちが多数)。永野氏の活動家体験もそういったものだったそうだ。ところが……

「ウィキペディアの記述を見て、ある雑誌の編集者が“山本直樹先生の『RED』みたいなの描きませんか”と依頼してきたことがあったんです……当然、断りましたけど」(永野氏)

……ウィキペディアには正確なことを書こう。

 いずれにしても今どき、大学に来て学生運動をやろうなんてヤツは、だいたいが奇人・異才の類い。まともに大企業への就職もできないだろうから、将来はオタク業界で活躍するヤツも現れるかも知れない。

 なお、この記事の発端になった法政大学文化連盟では来たる10月18日には、秋の大運動会にあたる「法政大学解放闘争」を開催する予定だ。

「いま、(学園祭にあたる)自主法政祭をめぐって大学当局が、大学の方針に反抗的だとみなしたサークルへの教室割り当てに介入したり新たな動きが出ています。ぜひファンのみなさんにも“俺たちの”ゴールデンタイム”を守れ”と駆けつけて欲しいです」

 『ゴールデンタイム』の聖地巡礼を考えているならば、この日が一番。なお、コスプレは自己責任で、とのことである。
(取材・文=昼間 たかし)

■法政大学文化連盟
http://08bunren.blog25.fc2.com/

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