公園デビューも連合赤軍もオウムもみんな同じ!? 山本直樹が描いた閉鎖された社会

【ハピズムより】

 真っ白な紙の上に新たな世界を創造していくマンガ家たち……そんな彼らに、作品づくりを通して体験したスピリチュアルな世界や、作品に込められた思いについて話を聞く当連載。すっかり久しぶりとなってしまった(!)第2回は、「イブニング」(講談社)にて連載中の『レッド』【1】が好評な山本直樹先生にご登場いただきました。これまで、“本業”であるエロマンガを活動の主体としながらも、1996年に映画化され、家族のあり方に迫った『ありがとう』(小学館)【2】や、新興宗教を題材とした『ビリーバーズ』(復刊ドットコム)【3】など、独自の視点で社会問題を取り上げてきた山本先生に、中学生時代の信仰の話から、オウム真理教に興味を持った経緯まで、お話をうかがってきました。

――このインタビューは、マンガ家の方にご自身のスピリチュアル体験や信仰について語っていただいているのですが、山本先生はなにかそういったものは……。

山本直樹(以下、山本) ないんですよね。全くない(笑)。

――とはいえ、ご自身の作品では新興宗教が登場することも多く、現在連載中の『レッド』も、ある種宗教に似た暴走するイデオロギーを描かれていますよね?

山本 実は僕、中二まではクリスチャンだったんです。函館近くの田舎町で育って、田舎な分、逆に新しいもの好きでした。年に1回、町に外国人の宣教師がやって来て、大きなテント張って「天幕集会」っていう宣教をやるんです。そこできれいなカードやグッズなんかをくれるのがうれしくて、町の教会にも通い始めました。あと、最初にいた先生が女の人で、すごくきれいだったんだよね。でも、今思うとかなり原理主義っぽい感じの人で、「共産主義者は悪魔の手先!」なんて言ったり、進化論を否定したりする人だったんですけど……。で、その後に来たのは若い男の先生で、「キリストとその弟子も、原始共産制みたいなものだからねえ」なんて言っていて、随分いいかげんなもんでしたよ。とりあえず、聖書も3回くらいは通読しました。ほとんどがつまらないけど、時々面白いところがあってね。

――先生の作品に宗教が出てくるのも、そのころの記憶が影響しているんでしょうか?

山本 まあ、幼少期にそんな現場に通っていたら、少なからず影響は受けているでしょうね。実際、欧米の映画を見ると、キリスト教文化が透けて見えたり、「この人がこういうふうに動くのは、聖書のあの節からきているんだろうな」なんてことに気づいたりするので、今でも影響はあると思います。でもそこで免疫ができちゃったから、それ以降、信仰心みたいなものを持ったことは一切ないんですよね。

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