『黒子のバスケ』脅迫状への過剰反応で利するのは誰か?

1310_kuroko.jpg黒子のバスケ24巻(集英社/藤巻忠俊)

 再び各地で相次いでいる『黒子のバスケ』脅迫騒動。これまでと異なるのは、脅迫の手法と脅迫状の送付先である。脅迫状の矛先が向けられているのは、まずコンビニエンスストアだ。ファミリーマートでは、脅迫状が送付されていることを受けて、10月下旬に発売予定だった「一番くじ 黒子のバスケ ~誠凛&海常~」の取り扱いが中止になった。また、産経新聞や雑誌「創」編集部に送付された犯行声明では、セブンイレブンに毒入りの菓子を置いたことを示唆、同社では関連する菓子の撤去が行われた。

 さらに、ビデオレンタルと書籍を扱うTSUTAYAでは、脅迫状を受けて関連する書籍やDVDなど『黒子のバスケ』の名前を冠した商品をすべて撤去することを決めている。TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブの広報に問い合わせたところ「あくまで撤去であり、返品するのではない」という。いずれにしても、一連の行為によって、これまで以上に実害が出ているのは間違いない。

 今回、各方面に脅迫状を送付した犯人は、今年春にあった脅迫状送付犯と同一人物とみて間違いない。「黒報隊」や「怪人801面相」を名乗るこの犯人と、昨年の「喪服の死神」との違いは、まず脅迫状の文面である。

「喪服の死神」が、自分の言葉で文章を綴っていたのに対して、今年に入ってからの脅迫状は、ネットで見つけることができる過去の大事件の際に取りざたされた脅迫状や犯行声明と酷似している。ある程度の年齢の人ならば「黒報隊」や「怪人801面相」という名乗りの時点で「ああ、参考にしているのは、あの事件か」と、気づくだろう。要は、文章が極めて厨二病的なのだ。

 模倣犯ともいうべき犯人は執拗だが、その目的は、とにかく脅迫状が世間から注目を浴びて、人々を右往左往させることにある。そのためにも、ニュースで取り上げられるべく報道機関へ執拗に犯行声明の類いを送付。あるいは、大企業に脅迫状を送付する方向へとエスカレートしているのである。「創」編集部に届いた脅迫状の中で、わざわざ「記事で取り上げろ」とする旨の文章を記述している点からも、犯人の「目立ちたい」という意思がありありと見える。

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