巨大ロボットがダイナミックに大暴れ! 幻の韓国アニメ『テコンV』が日本公開

2013.09.01

多くの韓国人が郷愁を覚える劇場アニメ『テコンV』。韓国のCMでは独島(竹島)を守る守護神としてテコンVが活躍した。現在、韓国の誇る国産スーパーヒーローとして3DCG化が進められている。
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【日刊サイゾーより】

 日本のアニメファンの間で長らく、”伝説のアニメ”と呼ばれてきた韓国産ロボットアニメ『テコンV』が、ついにその全貌を現わすことになった。キム・チョンギ監督による長編アニメ『テコンV』は1976年7月に韓国で公開された劇場作品。韓国初の純国産ロボットアニメとして、韓国の子どもたちに熱狂的に受け入れられた。その後シリーズ化され、70~80年代に韓国で少年期を過ごした世代にとっては忘れられない作品となっている。主人公フンが操縦する巨大ロボット・テコンVが韓国の国技テコンドーを駆使して、世界征服を企む悪の組織”アカ帝国”の操る悪のロボット軍団を撃破するという韓国のお国事情を感じさせるストーリーが何とも味わい深い。だが、やはり日本人にとって気になるのは『マジンガーZ』(72年/フジテレビ系)にそっくりなメカデザイン。知的財産権の概念がアジアに広まったのは90年代後半からとはいえ、ここまでマジンガーZに瓜二つなロボットが韓国でダイナミックに暴れていたとは! 『テコンV』の摩訶不思議なる魅力を掘り下げるべく、トホホ映画評論家、韓国出身の映像プロデューサーにコメントを求めた。

 大畑晃一氏はテレビアニメ『一騎当千Great Guardians』『一騎当千XTREME XECUTOR』のシリーズ監督などを務める他、『世界トホホ映画劇場』『世界トホホ映画劇場2 アニメ&特撮大作戦』(共に小学館)といった著書を持つ”トホホ映画評論家”としても知られ、世界各地のトホホ映画に造詣が深い。日本と韓国におけるアニメの歴史についてこう語る。

大畑 日本と韓国のアニメーションビジネスの関係は、『妖怪人間ベム』(68年/フジテレビ系)の制作の際、日本のスタッフが韓国で作画指導したことから始まったと言われています。その後、テレビアニメの量産に合わせて、日本は人件費が安く済む韓国に下請け作業を発注するようになったんです。70~80年代に日本で次々と作られたスーパーロボットアニメの設定資料は当然、韓国の制作会社にも流れていたと思いますし、またキム監督自身も『マジンガーZ』の影響を受けたことを認めています。でも、剽窃問題は別にして、『テコンV』は韓国のオリジナルアニメを作ろうという意欲とエネルギーが溢れている作品であることは確かです。

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