今年の顔はプレステとパズドラ!? 東京ゲームショー開催でPS4とXbox Oneが初お披露目!

2013.09.21

最大の注目はやはりPlaystation4に集まっている。

 国内最大規模のゲーム総合展示会「東京ゲームショウ2013」が今月19日、幕張メッセにて開幕した。19日と20日がビジネスデイ、21日と22日が一般公開日で、出展社・団体数352は過去最多。国と地域も33の最多を数え、冷え込みが叫ばれるゲーム業界の情勢とは対照的に、イベントとしては拡大してきている。  ブースの大きさがその時期の勢力図をあらわす東京ゲームショウ(以下TGS)。ことし最大のスペースを確保したのは、PlaystationR4(以下PS4)とPlayStationRVita TV(以下PS Vita TV)を擁するソニー・コンピュータエンタテインメント(以下SCE)だった。対抗馬はもちろんマイクロソフトで、最新ハードのXbox OneとSCEのPS4は、今回のTGSが初お披露目。まさに新ハードによる「決戦」となった。  また好調のガンホー・オンライン・エンターテイメントも、爆発的ヒットとなったスマートフォンゲーム『パズル&ドラゴンズ(以下パズドラ)』のニンテンドー3DS版『パズドラZ』を出展。「試遊していただけるとこんなにもスマホとちがうんだ、と感じてもらえると思う」と同社の森下一喜代表取締役社長CEOがステージイベントで述べたように、プレイヤーの主人公キャラクター化、敵のアニメーション、壮大なストーリーなど、削ぎ落としたスマホ版にはなかった要素で3DSのユーザーに訴求しようとしているが、ソーシャルゲームの勢いをコンシューマゲームにつなげられるかに注目が集まる。基調講演にはSCEのアンドリュー・ハウス代表取締役社長兼グループCEO、ガンホー・オンライン・エンターテイメントの森下CEOが各々第一部、第二部に登壇。両者がことしの“顔”であることを印象づけた。

3DS版『パズドラZ』の試遊でごった返すガンホーのブース。

 問題はゲーム全体の沈下傾向。ソーシャルゲームですらGREEの大幅減益があり絶対的な存在ではない今、任天堂(同社はTGSに不参加)も含めて据え置き型ゲーム機、コンシューマゲーム自体の存在意義が問われていると言っていい。この状況でSCEはPS4投入で何をなそうとしているのだろうか。 ハウスCEOは基調講演の最後に、自らの主張を以下のようにまとめた。「コアゲーマーの期待に対応しながら、ゲーム以外のコンテンツを充実させる。そしてご家族みんなで楽しめるゲーム。これらを総合的に提供していくことが、家庭用ゲームのさらなる発展に必要であり、我々プラットフォームホルダーの使命でもあると考えています」  上映されたPVは、PS4がゲーム機にとどまらない、「多機能の総合的エンタテインメント機器」(前出・ハウスCEO)であることを示すかのようなものだった。そこではある大学の一日が描かれ、ネットワークを介して据え置き機のPS4、携帯機のPS Vitaがコネクトされてデータを移動しながら遊ぶ様子、PS Vita TVによってゲーム大会(それもハードなFPSの)を体験を共有するイベントにする様子が盛り込まれている。

SEGAやバンダイナムコゲームスなど大手メーカーは順当に新作、最近作を展示。

 前提として『グランド・セフト・オート』シリーズが大ヒットを飛ばしていることからもわかるように、ハードコアなゲームが一般化していることと、一般人がスマートフォンやタブレットで気軽にゲームを遊んでいることがある。スマホよりも内容の濃いコンシューマゲームのゲーム性と、スマホでデイリーにゲームに触れる生活の仕方の変化とを合わせ、新しいゲーム生活を演出することが、PS4の狙いであるようだ。  ハウスCEOは言う。「PlaystationR4はクラス最高水準のゲーム体験を提供したいと思っています。しかし同時に、プレイステーションユーザーの皆様に、誰かとつながるなかだからこそ実現可能な体験をお届けしたいと考えています」  不況とされるコンシューマゲーム業界で、PS4とXbox Oneは起死回生の一撃となるのか。この日、最新のデモが公開された『METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN』を見てもわかるように、クオリティの高いゲームを制作しうるマシンであることはわかっている。スマホとSNSが基盤をかたちづくる日本人の日常に対し、いかに食い込めるサービスを提供できるかが、ゲーム業界の勝負の分かれ目となるのかもしれない。

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