TVアニメ『バック・アロウ』戦争の火蓋が切って落とされる 第10話

TVアニメ「バック・アロウ」 公式サイトより

 フィーネ姫の荒々しい人格のせいでリュートとレッカの戦争の火蓋が切って落とされることになってしまった。リュート国内にもこの知らせは広まり、国民たちにも動揺が走る。

 プラーク以外の国の重鎮たちはまだフィーネ姫の二つ目の人格を知らなかったので、今までの彼女との違いにも多いに戸惑う。一人事情を知っているプラークがなんとかとりなすが、それすらも姫は気に食わない。

 一瞬、本来の姫があらわれるが彼女にももう一人の人格を押さえきれないという。一瞬でまた人格が代わり軍の連中に気合を入れてやる、と外に出ていってしまう。

 姫たちの元から逃げたアロウたちの元にソーラが食事を運び込んでいた。外での情報も仕入れ、戦争が始まること、さらに姫の二重人格が表ざたになったことなどをアロウやシュウに伝えた。その話を聞いてシュウは色々とマズイ状態になっていることを知った。

 その際たるものは、ソーラが後をつけられていたこと。すぐさまアロウたちを探していた兵たちがなだれ込んでくる。だが、突然その攻撃から救ってくれたものがいた。まるでピエロのような容姿のその女はリソナンザと呼ばれ、ソーラもよく知っているようだった。ソーラは彼女の上司が呼んでいるといわれ、何も抵抗することなくその言葉に従うようにアロウたちにも促す。

 彼らが連れていかれたのは退廃宮殿。見た目が派手なこの宮殿の中には絶えず物を食べ続けている男が鎮座していた。巨大な体と、顔のパーツが真ん中に収まっているなんとも不気味で奇妙な姿をしている男。彼はルドルフ選帝卿。リュートを支える六大卿の一人で、皇帝を選ぶ権利を持つ男だという。シュウもその存在を知っていたらしくかなり有名な人物らしい。この国で一番偉いといっても過言ではない彼。少しでも新しい刺激が欲しいという彼はアロウやシュウに興味を示していた。

 だが、アロウはこのルドルフ卿と対峙しとにかく何かが気に入らないと感じていた。アロウは自分に対しての記憶がない。だがその分の人の気持ちをよく感じられる。リンガリンドは必至でみんなが生きているところを楽しいと感じていたアロウ。だが、このルドルフからはそれを感じられないというのだ。

 だが、そんな風に詰め寄るアロウにルドルフは自分の本当の姿を見せた。彼は一瞬でも本気になると信じられないほどの力が出てしまうというのだ。彼は体の中にワインドアッパーが入っているといわれ、自身でもこの力がどれほどのものかを把握していないという。

 彼はそれゆえに怠惰をむさぼっているという。そうしないと世界が滅びてしまう事態になってしまうのだそうだ。ワインドアッパーの使用方法にはまだ未知なるものが多いようだ。
 
 その場にピース政務卿がやってくる。ルドルフにリュートが戦争状態に入ることを報告にきたのだが、その場にアロウたちがいることに驚いたようだが、ルドルフの客だということや今は彼らにかまっている場合ではないとのことで、そこまで気にしていないようだ。

 ルドルフも戦争が起きることに対してあまり頓着していないようで、フィーネを王に指名したのは自分であり、もし何かあったとしても他の王位継承者が自分を慰めてくれるというのだ。そこでアロウたちは初めて気づいたのだが、彼の足元には沢山の男女が侍らされていた。

 彼らは元王位継承者の王子と王女たちだ。本来なら王が決まった時点で余計な混乱を生まないように王位継承者は死刑になるのだが、それを哀れに思ったルドルフが自らのおつきにしたのだ。
 
 さらにルドルフはフィーネを王に選んだ時、自分の血を彼女に与えたことを告白した。あの時生き延びたフィーネの命の強さこそ王にふさわしいと思い選んだという彼だがその血によってあのような人格が生まれたことについてはただただ「哀れだ」というばかり。この事実を聞いてソーラはなぜ自分にその事実を言わなかったのかと問い詰めようとするが、聞かれなかったからだと言われ、さらに知っていたら何かできたのかと問われたら何も言い返すことが出来ない。
 
 アロウたちはさらにここで、エルシャたちが処刑されそうになっているという事実を聞いてしまう。姫の命令のために周りに止めるものもおらず決定事項となってしまっていいるらしい。その話をきいてアロウは飛び出していく。 

 一方、エルシャはエッジャ村代表としてプラークとブライハイトで戦えという命令が下されていた。

 エルシャに死んでもらいたいのは、グランエッジャをリュートが奪うためだ、ブライハイトを操る者が死なないと新しい人間があの乗艦を操ることが出来ないからだ。

 これから始まるレッカとの戦争のためにグランエッジャを手に入れるために、エッジャ村にとってはかなり不利な条件を突きつけてきた。エルシャはフィーネに向かって「これがあなたの言う愛なのか」と問い詰めるが、裏の人格のフィーネにとっては田舎娘の代わりに自分がグランエッジャを使った方が多くの利益が出るという。それが支配者の愛だと宣う。さらにフィーネはエルシャがこの決闘を受けないと村のものが死ぬことになると脅しをかける。

 勝負が嫌ならば、エルシャが忠誠を誓って自分で両足を切り落とし、戦の最前線に立つというなら忠誠を認めて村人は助けてやろうという。どこまでも一方的な選択を迫ってくる。

 最近のエッジャ村は巻き込まれて脅されて殺されかけてと、いつも誰かしらの思惑に振り回され続けてきた。エルシャはそんなことはもうたくさんだと、プラークとの決闘を受け入れる。だが、ただ受けるだけではなくエルシャ側からも条件を出した。もし自分が勝ったらエッジャ村の人々を解放しろというのだ。

 フィーネはもちろん難色を示したが、プラークは自分が万が一にも負けるはずはないといい、一縷の望みにかけて一人の女が死んでいくのも一興だろうと口添えてその条件を飲むことに。

 かくして、エルシャとプラークの戦いはスタートした。勝てる自信はなくとも、意地だけをもってプラークに向かっていくエルシャ。するとそこにエルシャたちの危機を知ったアロウもブライハイトに乗ってやってくる。ここに車での間に追ってに追われ一刻も早くこちらにたどり着くためにアロウのブライハイトは変化を遂げ、空を飛べるようになっていた。

 信念を持たないアロウだから出来るブライハイトの新しい戦い方だ。今までプラークだけが出来た飛行スタイル。空を飛べるというのはかなり戦いに有利だ。

 だが、エルシャはこの参戦を拒否した。プラークとの戦いに決着をつけなければいけないのは、エッジャ村村長であるエルシャなのだ。アロウはエルシャの熱い決意を受け、自分が手を貸すのではなく自分のブライハイトを剣に変え、それで手助けをすることに。

 アロウの剣を手に取り、プラークと対峙するエルシャ。プラークもエルシャの決意を真正面から受けお互いに全力で切りかかる。エルシャの思いが競り勝ち、プラークの機体に大きな傷が入る。

 本来なら、ブライハイトが破壊されたら中の人も命を落とすのだが、アロウの剣のおかげか、プラークは命を落とさないですんだ。プラークが切られたとき、フィーネ姫の元の人格が現れ彼女に死なないでと泣き叫ぶ。それほどに彼女を大切に思っていたのだ。

 だが、プラークが無事だとわかるとまたしても第2の人格に切り替わってしまう。この第二の人格がキレ散らかし、アロウのことも殺してやるとワインドアッパーをはめて自ら戦いに出ようとする。
 
 この人格の入れ替わりがルドルフの血が入ったことによるものだということをソーラがプラークに告げると、彼女もそれを知らなかったらしくひどく狼狽していた。彼の血が入るということがいかに大変なことなのかがうかがい知れる。

 だがとにかくこのキレ散らかした第2の人格の姫をどう収めようかと思っていると、エルシャが彼女の前に立ちはだかる。約束した通り自分は勝負に勝ったのだから、今度はフィーネ姫こそが約束を守る番だと詰め寄ったのだ。もちろん第2の人格の彼女には届くはずもない。だが、それを聞いた元の人格の姫が意識の中で彼女を押しとどめる。

 元のフィーネはこの第2の人格の自分も、戦争も全てを恐れていた。だがやっとそれらを受け止め背負うことを決意できたという。だから第2の人格には自分の中で休んでもらい、愛に満ちた世界を目指すと誓った。

 そうして、皆の前に元のフィーネとして改めて立ち、ここまでの散々な非礼を各方面に謝罪した。ワインドアッパーは自我の一部まで封じ込めることが出来るという。もうここまで来たら何でもありだ。

 だが元のフィーネに戻り手を尽くしてもやはり戦争を避けることは出来なくなってしまったという。フィーネはエルシャに対し改めて深く謝罪をしエッジャ村の面々には戦争に巻き込まれないように早くここから逃げるようにと勧める。

 だがエルシャは、フィーネに改めて何のためにレッカと闘うのかと問い、その答えをきいてエルシャは「手伝う」と言いだした。

 対等な身としてだったらエッジャ村の面々はレッカに狙われる身なので信頼を信頼で返す生き方であるエッジャはこのリュートに味方をする。と力強く宣言した。こうして、エッジャとリュートは同盟を結ぶことに。

 まだまだリュート国内には色々ありそうだが、とにかくアロウたちエッジャ村とリュートが正式に手を組むことに。次回から本格的な戦争に突入しそうだ。果たして、両国の戦いの行方はどうなっていくのだろうか。

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