TVアニメ『ひぐらしのなく頃に』繰り返す意地の張り合い…いい加減勉強しろよ…郷壊し編 其の五

TVアニメ「ひぐらしのなく頃に」公式サイトより

 見れば見るほどに、「沙都子、勉強しろ」としか言えなくなってくる展開がまっている。梨花との友情を守り、何度死んでも絶対に勉強をしたくない沙都子。沙都子の思った未来に行きたいのもわかるのだけれど、これだけ何度も繰り返していたら高校レベルの勉強なら段々意図せずとも覚えていきそうな気がするだけに、繰り返されるたび起こる様々な出来事が愚かに見えてしまう。

 前回、繰り返しを覚えた沙都子は梨花を巻き込んで死亡した。そして新たなかけらをまた再生する。だけどいつだって梨花は沙都子に一緒に受験をしようと持ち掛ける。怒りながら断っても、どうしてわかってくれないのかと縋り付いてくる梨花。進学したら梨花だけが学校になじんで自分は勉強にもついていけず、友達もできずに孤独になると訴えても、梨花は親友の自分が沙都子を一人にはしないと「約束」する、と力強く訴える。だが、沙都子はその言葉が結局嘘になることを知っている。

 このカケラの梨花はまだ沙都子を裏切っていないが、未来をしっている沙都子からしたら、これは嘘になる言葉なのだ。

 沙都子は梨花の言葉に激昂し、大ウソつきだと罵り始める。突然親友にうそつきとなじられ、受験に付き合ってほしいという自分の言葉を夜中にトイレについてきてほしい程度のことだと言われ困惑を隠せない梨花。

 沙都子は梨花が竹馬や一輪車を何度も練習しても上達しなかったことを例に挙げ、努力して上達することとできないことが人にはあるのだと説き始める。自分にとってそれが勉強であり、頑張ってもできないししたくもないと思っている。それでもなんとか梨花のためを思って進学しても、結局梨花は自分を置いて他の上品な友達とばかりつるむようになるのだといい、自分と雛見沢を捨てるか、これからも雛見沢で楽しく過ごすかを選べと迫る。

 だが梨花も、この夢は長年抱いてきたのだ。そう簡単に諦められない。どちらも選ぶと沙都子に応えたが、沙都子はその言葉を聞いて自ら走ってくるトラックに轢かれて死を選んだ。このカケラでは梨花を説得できないと諦めたのだ。

 新しいカケラでは早朝から梨花を連れ出し、日の出の雄大な景色が見られる場所につれていって、まだまだ雛見沢には見ておかなければいけない景色があるのだから雛見沢から離れてはいけないと告げるが、ここでもまた梨花に雛見沢から出る夢を語られてしまう。沙都子はこの時は持参したナイフで自らの喉を切り裂いた。

 他にも勉強する梨花を邪魔したり、お互いにつかみ合いの口論をしたりと沙都子は何度も死んではやり直してを繰り返していた。その姿を沙都子を巡る者とした女はニヤニヤと見つめていた。

 梨花のガンコさに辟易している沙都子に、梨花もまた100年もの時間を繰り返してきていたのだから、その分強固になっていることを教えてくれる。最初は梨花も自分と同じようになぜ時間を繰り返していたかが理解できなかった沙都子。 

 沙都子にとって、梨花が繰り返していた1983年6月の雛見沢の記憶はたった一つ、山犬という存在と闘って勝ったという記憶程度だ。だが、その沙都子の知っているたった一つにたどり着くまでに梨花は多くの冒険を繰り返していた。

 沙都子は女に促され、梨花の記憶の一つを覗き見る。それは、圭一が発生しているときのものだ。怖ろしい形相で魅音やレナを殴りつけていた姿にすくみ上ってしまった。梨花が全てのかけらを集めるために100年の歳月をかけていたことを教えられた。心が折れそうになったことも1度や2度ではなかったそうだ。

 沙都子は事情が分かったが、梨花の気持ちをもっと知らないと、と彼女が集めた100年分のカケラを全部見たいと言いだした。このカケラを見るには同じく100年の月日をかけないとならないらしいが、沙都子はそれでもかまわないといって梨花の今までを全て振り返っていった。

 過去のひぐらしで見てきた様々なカケラ。それはひぐらしファンにも印象に残る者ばかり。こういった惨劇があったからこその大団円を迎えたのだ。それを想えば、3年分の勉強などとるに足らないようにも感じられてしまうのだが、思考的に思い詰めやすい沙都子にはその発想はないようだ。

 沙都子は100年分の梨花の記憶をたどり、このめぐる者繰り返す者のルールを把握したようだ。いくら無限にやり直せても、心が屈することからは逃げられないということ。永遠を自在にする力でありながら心の寿命は永遠ではないこと。

 梨花も何度も全てを諦めてしまう寸前まで行ったことがあった。沙都子はそれを踏まえて自分の場合のめぐる者の攻略方法として、もう一度梨花の心を折ればいいという結論にたどり着いたようだ。

 今は繰り返す度に全てがリセットしている。引き継がれるのは沙都子の記憶だけ。それを、梨花にも記憶を引き継がせることは出来ないかと問うと、女はそんなことは簡単だという。

 女に繰り返す際の条件を変更してもらう沙都子。今回以降、梨花の死後に沙都子が死ねば2人揃って同じかけらに行くことが出来るようになったという。これで永遠に一人の梨花を追い続けることが出来る。 梨花は以前と同様で、死んだあとに数時間の記憶が欠損してしまうという。ここに目をつけた。

 沙都子は梨花の心を砕くことを決めた。これは意地の張り合いなのだそうだ。沙都子の夢は雛見沢で二人で楽しく暮らすこと。梨花の夢は長年囚われた雛見沢から出て自由になること。この対極的な夢がぶつかり合うのだ。

 沙都子は梨花を大好きだという。だからこそ、絶対に負けないと力を籠める。お互いに別の学校にいっても仲良くする、という選択肢があってもいいと思うのだが、ここからトラップが得意な沙都子が梨花をどのように追い詰めていくのかが気になるところ。

 今期の鬼騙し編とかも全て沙都子が裏で手をまわしていたことになるのだろうか。この流れを踏まえてみてみると何か新しい発見がありそうだ。振り返りながら、次回を楽しみに待ちたい。

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