TVアニメ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』ダイはレオナを助けられるのか?第18話

ドラゴンクエスト ダイの大冒険 アニメ公式サイトより

 死んだと思っていたヒュンケルが生きていた。それだけでも衝撃だったが、登場の仕方が格好良く、さらにマァムを抱きかかえ登場し、眼が覚めて生きていたことを喜ぶマァムが抱き着くなど、ポップとしては生きててくれて嬉しいが嫉妬心も沸き上がって心穏やかではいられなくなってしまう。

 シリアスなシーンではあるが、この三角関係の構図は見ていてついにやけてしまう。ヒュンケルがマァムには優しく、ポップには薬草を投げつけるあたりもしっかりライバル感出してくるのもよい。

 だがそこは本戦とはあまり関係ない部分。なぜヒュンケルは生きていたのか。彼は地底魔城の崩壊に巻き込まれて誰もが死んだと思っていた。だが死の直前でクロコダインから助け出されたことにより一命をとりとめたのだ。

 ヒュンケルはクロコダインこそ死んだと思っていたのだが、鋼鉄の体を持っていたことで彼も命を取り留めていた。

 ヒュンケルは自分は一度クロコダインを殺そうとしたことがあったことから、何故彼が自分を助けてくれたのかと不思議に思っていた。だがクロコダインは情けには情けを返さねばならないという自分の心情の元に行動したという。ヒュンケルにはまだまだダイたちの手助けをしなくてはならない、と感じて彼を助けるに至ったのだ。

 ヒュンケルはむしろ放っておいてほしかったとこぼす。生きている中で自分の弱さを棚に置いて師であるアバンを恨み、さらに人間を恨み続けた自分はいっそ死んでしまった方が罪を清算できたのではないかと考えていた。このまま生きていっても生き端をさらして生きなくてはならなくなってしまったと嘆いていた。

 その言葉をききクロコダインは、自分の持つ男の価値については過去のこだわりをすてられるかどうかだと考えていると語り始める。たとえ生き恥をさらし他人に蔑まれても己の信じる道を歩けるならそれでいいじゃないか、と語るクロコダインの言葉を聞きヒュンケルは自分の罪は死んで償えるほど小さなものじゃなかったと心を入れ替えた。

 すると、壊れたと思っていた鎧の魔剣がヒュンケルの前に現れる。完璧に復元もしているのも不可解だったが、クロコダインは真の武具は相手を選ぶといい、その鎧の魔剣もあらためてヒュンケルを選んだのだと彼の新しい一歩に背中を押した。ヒュンケルは改めて鎧を身にまとい、ダイたちの元へ向かうのだった。

 ヒュンケルはマァムとダイをバルジの塔へ向かわせ、自分はハドラーに対峙する。裏切者には死あるのみ。これが魔王軍の掟だ。どちらかが倒れるまできっちりと決着をつけるための戦いが始まる。

 クロコダインも炎魔塔を倒し、ダイたちも結界の邪魔がなくなりレオナを助けに行きやすくなる。何も心配がないようにハドラーを倒すことが、ヒュンケルの務めだ。

 ヒュンケルはアバンの弟子として、ではなく父バルトスの命を奪ったものとしてハドラーを討つと宣言。ヒュンケルの身にまとう鎧は攻撃呪文を受け付けないため、お互いの剣をもっての勝負となる。二人の実力はほぼ互角。だが若干ハドラーが押されている構図になっている。部下たちもハドラー劣勢にハラハラを隠せない。

 ハドラー本人もヒュンケルの強さに押され、鎧をどうにかできれば勝機が見えると作戦を練るも、ヒュンケルは小細工をする間を与えず、ブラッディスクライドを放つ。この攻撃が、ハドラーの心臓を貫き勝負を決する一撃となる。

 倒れたハドラーの首を取ろうと近づいたヒュンケルだったが、死んだと思ったハドラーは生きていた。急所を貫かれて何故動けるのかと思ったが、ハドラーには左右に一個ずつ心臓があったのだ。わざと片方の心臓を貫かせ、ヒュンケルが剣を引くのを待っていたのだ。スキを突かれたヒュンケルは鎧とその体を貫かれてしまう。さらにハドラーは空いた穴めがけてメラゾーマを撃ちつける。鎧ごと炎に巻かれたヒュンケルは大きなダメージを負ってしまう。

 大ダメージを負い、もう体がいうことを聞かないヒュンケル。そんなヒュンケルにベギラゴンを唱えたハドラー。この攻撃を食らって、ヒュンケルは倒れこんでしまう。ハドラー勝利に沸く魔王軍。だが、ヒュンケルの意識はかろうじて残っていた。ダイたちを守るためにもどうにかして食い止めないといけない。だがもう戦う術が残っていない。その時、彼の頭の中にアバンの声が響き渡る。

 修行を受けていた時の記憶。呪文が使えないヒュンケルにもしものことがあった時に使える闘気を集中させて使う技だ。だが扱いがとても難しく、殺気立ち高ぶった心では自分の命をさらしてしまうことになるという。

 当時は剣だけで仕留められればいいと思い、一笑に付した技だったが、今ならわかる。今ならできると確信したヒュンケルは闘気を集中させ始める。

 ハドラーを止められるなら命を差し出してもいい、と渾身の力を込めてヒュンケルはグランドクルスを撃つ。その強大なパワーは塔へ急ぐダイたちの目にも届いた。その光はまるでアバンが死んだときの光にそっくりなもの。この光を見てダイはヒュンケルを助けに戻らなければ、と来た道を引き返そうとする。

 だが、自身も彼が心配でたまらないマァムはそれを引き留め、自分たちが今やらなければならないのはレオナ姫を助けにいくことであるときっぱりと言い放つ。ここで戻ってしまったらクロコダインやヒュンケルの思いを踏みにじることになる。このマァムの発言を聞いて納得したダイたちは改めて塔へ急ぐのだった。

 ハドラーはヒュンケルのグランドクルスを部下を盾に使うことでなんとか回避。ヒュンケルの様子をうかがうと、その場で座り込み意識を失っているように見える。先ほどのグランドクルスで闘気を出し切ってしまい抜け殻のような状態になってしまったようだ。

 この状態のヒュンケルならあとは首をはねるだけだと、背後から近づいていくハドラー。だが、ヒュンケルは最後の力を振り絞り、鎧の頭部についている剣を油断して近づいてきたハドラーの喉元を突き刺した。

 ほぼ無意識状態にあったにも関わらず最後の闘気を振り絞ったヒュンケルの行動に感服しながらも、ハドラーは倒れていった。

 この戦いを見ていたフレイザード。魔王軍総がかりで倒せなかったダイたちを倒せたら自分の格が上がると期待しているようだ。次回はとうとうダイたちの戦いに。以前からあまり時間は経っていないが、ダイは勝利してレオナ姫を助けることができるのか!?

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