TVアニメ『無職転生 ~異世界行ったら本気だす』家庭問題は異世界でも同じ?第4話

TVアニメ「無職転生 ~異世界行ったら本気だす」公式サイトより

 毎回話の構成の目の付け所が異世界転生モノとは思えないのだが、今回も転生先の家族の出来事に焦点を当てたエピソード。アバン部分から家庭内の事件としては最高に重たい爆弾が放り込まれる。

 ルディに兄妹ができる。二人目ができないことをずっと気にしていたゼニスにとってこれ以上ない朗報であり家族の誰もがその報告に沸いた。だが、時をほぼ同じくしてメイドのリーリャも妊娠したことを家族に告げた。相手が誰かを聞く間でもなく、全員が一瞬で誰なのかを把握し、犯人は自ら自供した。

 そう、パウロがリーリャの腹の中の子供の父親だ。浮気したのである。幸せお祝いムードは一瞬で外の景色と同じく氷点下に達し部屋中の空気は重たくゼニスとリーリャの話し合いが始まった。

 ゼニスはリーリャにどうするつもりなのかを問いかける。リーリャはゼニスのお産を手伝ったのち、この家から暇をもらって故郷で子供を産み育てようと思うというが、彼女の故郷はここから南へ馬でひと月ほどかかる場所にあるという。乳飲み子を抱えて一か月の旅路はどう考えても自殺行為でしかない。リーリャがもし倒れでもしたら子供は間違いなく道連れだ。

 ゼニスも子供が憎いわけでないのだ。ただ、男に浮気をされた女は男よりもその浮気相手の女を恨んでしまうもの。簡単に許すこともできずどのような決断を下すべきか悩んでいた。

 その姿を見て、ルディは二人のために一肌脱ぐ決意を固める。リーリャは生まれた時からすでにこの家に仕え、様々なことをルディにしてくれた。さらにご神体の存在を知っても黙っていてくれたのだ。その恩を返すのだ。

 ルディは子供らしく母に何故こんなに家の雰囲気が重いのかを訪ね、リーリャは父に逆らえなかったのではないかという可能性を提示する。

 作り話でパウロがリーリャの弱みを握ってそれを盾に関係を迫った場面を盗み見したことを証言する。二人が否定しても、リーリャは弱みを握られている故に本当のことがいえないように映り、パウロは嘘をごまかしているようにゼニスの目には映った。

 さらにダメ押しで、自分にはシルフィという友達がいて寂しくないが、生まれてくる子にも友達がいたらいいのではないか。生まれてくる子供たちは両方とも自分にとっては兄弟だと子供らしく母に訴えたことで、パウロの家庭内の地位が失墜するだけで家庭崩壊には至らず、リーリャもこのままこの家で働き続けることが出来るようになった。

 リーリャは自分がこのまま家に留まれることに安堵と不可思議な気持ちを感じていた。もともとこの妊娠は、リーリャが誘ったことで起こった結果なのだ。毎晩のように夫婦の営みに精を出すパウロとゼニス。その喘ぎ声を毎晩聞かされる成人女子にだって性欲はあり、そしてたまる。

 彼女はパウロが自分の部屋の前を通るタイミングを見計らって、全裸で体を拭いているのが見えるようにしてパウロを誘ったのだった。その誘いにまんまとひっかかるパウロもパウロなのだが、情欲に負けてゼニスを裏切ったことで自分は罰を受けるべきだと、リーリャは考えていた。

 だがそれを、ルディが救ってくれた。的確に会話を誘導して落としどころまで綺麗に持っていった。今までリーリャはルディのことを気味が悪いと感じていた。幼児のころからおぞましい目つきで自分の胸を見たり下着を奪ったりしていた彼を悪魔付きなのではないかとすら考えていた。だが、今回の件で彼に命を救われた。いうなれば命の恩人である。

 リーリャはこの恩を一生かけて返すことを誓い、無事にお腹の子が生まれ育ったあかつきにはその子をルディに仕えさせようと決意する。

 そして二人の子供は無事生まれた。ノルンとアイシアという愛くるしい二人の赤子に家族中が夢中だ。ルディの時がイージモードすぎた子育てに改めて二人の母親はてんてこ舞いな様子だ。浮気事件で家庭内の地位が急降下したパウロは二人にこまごまとした用事を言いつけられており、拒否権もないようだ。

 ルディは浮気事件以降、リーリャと少しずつ会話をすることが増えたようだが、その中でリーリャとパウロは過去同じ道場で剣を習っていたことを知る。当時からパウロには才能があったが練習嫌いで遊び歩き、さらにリーリャの処女を奪い道場を逃げ出したというクズのような過去をもっていることも知った。

 そんなパウロだが、ルディはこの父を認めている。なぜならば圧倒的に強いからだ。剣術にある3つの流派の上級を全て納めており、ルディは未だに彼から勝ちを奪うことが出来ないでいる。

 元々がアラサーのクズニートだったルディは彼とは意外にも話もあうらしい。 7歳になったルディにも時折下ネタなどを吹っかけてくることも増えてきた。そんなパウロが、ルディに学校の話をこぼす。だが、読み書きも算術もある程度できるルディには必要ないかとすぐにひっこめてしまう。 

 どことなく自分の魔法の上達速度に行き詰まりを感じていたルディはシルフィと遊んでいる際に、「この村で出来ることは少ないかもしれない」と言外に外の世界に行きたい旨をこぼしてみると、彼女はルディが自分を置いていってしまうかもしれないという寂しさから泣き出してしまう。その可愛らしい態度にルディは外で学ぼうという気持ちがあっという間に消え去ってしまう。

 だが、ロキシーからの手紙にまたしても彼は頭を悩ませてしまう。師匠であるロキシーから手紙が届いたのだ。彼女が旅立ってからもう2年の月日が流れていた。彼女は今シーロン王国というところで第7皇子の家庭教師として働いているらしい。その中でまた新しい魔術が使えるようになったという知らせが記されていた。ルディもきっともっとすごくなっているだろうけれど、魔術のことで行き詰っているなら、前に教えたラノア魔法大学の門をたたくようにと、まるで今の状況を見ていたかのように指摘される。

 この手紙を読んで、ルディはパウロに改まってお願い事があると打診した。今現在魔術の件で行き詰りを感じており、ラノア魔法大学に入学したいこと。そしてシルフィとも離れたくないために一緒に入学したい。ついては我が家からシルフィの分の学費もだしてもらいたい。と頭を下げた。

 だが、パウロの返事はNO。

 そもそもまだ剣術の稽古が途中であり師匠である身としても途中で放っておくことがえきあに。さらに、親としての責任を放棄することもできない。シルフィの分も、というほど家にお金がない、と全体的に至極真っ当な理由で大学にいくという願いは一蹴されてしまった。

 それならば、とルディはあらためてパウロに自分に仕事を斡旋してほしいと頼み込む。パウロに認められて家を出るまでの間にシルフィの分の学費を自分で稼ぎたいというのだ。それはシルフィのためにはならないのでは? とい言われるが、巡り巡ってそれは自分のためになる、とルディが判断したのだ。パウロもその言い分を認め、心当たりを当たってくれると約束してくれた。

 そして数日が経ちいつものように庭で剣術修行に精を出していると、家の前に大きな馬車がとまりそこから獣人の女性が現れた。その女性は両親とも旧知の仲らしくギレーヌという名前らしい。一体なぜ彼女が家にきたのか全く状況がつかめないルディだったが、なぜかゼニスとリーリャは寂しそうにルディと別れるかのような挨拶を送ってくる。

 パウロに問いかけてみると「シルフィと距離を置けって言われたらどうする?」という質問を逆に返されてしまう。「嫌に決まってる」と答えると、なぜかパウロが本気の力でルディに向かって剣をふるってくるのだった。意味がわからないままによけ、魔法を使いながら必死で抵抗するルディだったが、剣に関しては最強のパウロにかなうはずなく、いつの間にか倒されてしまっていたルディ。

 目が覚めると、客人としてきていたギレーヌと共に何故かバスに乗っているルディ。果たしてルディは、彼女にどこに連れていかれるのか!? 次回も楽しみだ。

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