アニメ『日本沈没2020』災害大国・日本の未来か?戦慄の第1話

Netflixオリジナルアニメシリーズ『日本沈没2020』公式サイトより

 Netflixアニメで配信がスタートした『日本沈没2020』。『東京マグニチュード8.0』を彷彿とさせる、大地震から始まるアニメだ。日本に住んでいる以上、避けて通れない地震。いつか起こってしまうかもしれない大地震を思うと必見とも言える作品だ。

 オープニングは爽やかで、『日本沈没2020』という物々しさに似つかわしくない。武藤家の母、マリは飛行機に乗っていた。彼女は日本に帰国するところである。まもなく離陸。シートベルトをしめるように指示が出る。

 長女の歩は陸上部に所属しているのか、練習に励む姿が描かれる。エースとして試合のアンカーにも選ばれるなど、実力も信頼もあるようだ。練習終わりに先生からの連絡事項を聞いている最中に、地震が起きる。かなり大きな揺れだ。地震が収まってから着替え、練習施設から出たら集合するように、と言われてる。

 一方、家にいた弟の剛はオンラインゲームに熱中していた。地震になれた日本人あるあるで、大きな地震だからと机の下に隠れてもゲームはそのまま続行している。大きな地震だからといってすぐさま命の危険に直結することは少ないと皆が油断していることがよくわかる描写だ。剛はテーブルの上の弁当が落ちるほどの地震に驚きはするものの外国の友人とのオンラインゲーム相手には「なんでもない」と答える程度にしかこの地震についてはとらえていなかった。

 歩もロッカーで着替えながら友人たちが「震度5だった」「電車止まるかな?」という会話を聞くでもなしに聞きながら着替えをしていた。するとそこに、おかしな音が聞こえたような気がした。それは、地響きの音だった。気が付いたときには地面は大きく揺れ、人の体も宙に浮き、全てが吹き飛ばされてしまった。

 照明技師として働いている父の航一郎は、現場の高いところで照明をつっていた。そこに起きたこの地震だ。幸い命綱をつけていた為に宙ぶらりんになるという程度で済んだ。飛行機に乗っていたマリは、先の地震で離陸待ちをしていた状態で上空にいたが、突如海から噴水のようなものが立ち上がる場面を目撃してしまう。その衝撃で機体は揺れ、緊急着陸することになってしまう。

 剛は家の中のものが大きく崩れ、眼に怪我を負ってしまう。前が見えなくなり、手探りで当たりをさまよわなくてはならない状態に追い込まれる。歩むは意識を取り戻すと周りはがれきの山となっており、先ほどまで笑いあっていた友人たちが物言わぬ体になっている姿を見て恐怖にかられる。目の前に、まだ意識はあり助けを求めているものの、がれきの下敷きになり助けてやれそうにない姿を見て、恐怖で飛び出してしまう。

 スマホだけを握りしめて駆け出す歩。父もバイクを駆使して家に向かうが、途中で道が崩れたり、建物が目の前で倒壊したりと道のりはかなり危険だ。必死に家にたどり着いた歩が目にしたのは、崩れて跡形もなくなった我が家。その景色を目撃する際に、歩の作文のようなものが読み上げられる。父が凝りに凝って建てた家をどんなに気に入っているか。家族がどれほどこの家を気に入り、大切にしていいたかなどが語られれば語られるほど、無惨さが際立ち、恐ろしい。

 近所の避難所に家族を探しに行くが、避難所では非常食だったりスペースをめぐって争い合う人たちのせいで空気が張り詰め、家族を探すこともままならない。時間が経ち、陽が落ちていくことで不安な気持ちに押しつぶされそうになる歩は、目線の先に不思議な灯がともっていることに気付く。 
 
 坂の上にある神社に続く階段が一面ライトアップされているのだ。照明技師の父が家をライトアップした時の灯と全く同じそれはそこに父が、家族がいることを示していた。その灯に向かって走りついた歩は父と対面することが出来た。不安な時に家族と出会えることがどれだけほっとするか……。まだ父だけではあったが、自分がこの灯を見つけたように家族もこの灯を見てここにやってくるはずだ、と全員が揃うまでこの灯は消さないぞという父の言葉が力強い。

 弟の剛は、近所に住む七海に連れられ神社に到着する。目の傷は眼球ではなく瞼だけだった為、父の強引な手当によってなんとか目を開けられる状態に。そして、遅れて母も到着し何とか家族全員が揃うことが出来た。

 止まっていた携帯の電波も夜になってやっとつながるようになる。スマホを持っていたのが歩だけだったこともあり、家族が離れた場所に住んでいる七海は彼女に借りて連絡を取ることが出来た。歩は、家族が全員そろってほっとしたことで自分がことが起こった時に友人たちを見捨ててスマホだけをもって逃げ出してしまったことに罪悪感を感じて泣き出してしまう。でもこの状況だと自分の命を守るだけで精一杯なのだから歩を責めることは誰にもできないと思う。難しいところではあるけれども。

 家族全員が固まってお互いを支え合っている時、突如空から人が落ちてくるという事件が起こった。なぜ人が空から? 空から落ちてきたものは死体であり、生きた人間ではない。すると、上空にヘリコプターが飛んでいることが発見された。しかし、そのヘリは操作がされていないようで不安定な動きをし、最終的に落下してしまう。そのヘリから振り落とされたのがこの死体たちなのか?

 上を見上げてみると、鳥居や木の上に沢山の死体が血を流し引っ掛かっている地獄絵図が広がっていた。日本を襲った大地震。これが日本沈没のための地震なのか。いつ本当にこのような出来事がおこっても不思議ではない。沈没じゃなくても、大地震はいつかくるのだろうから。アニメの中で警報アラートが鳴るだけでも不安な気持ちにさせられるし、テーマ的に辛い気持ちになってしまうが、最後には希望があると信じて見続けたいと思う。
(文=三澤凛)

アニメ『日本沈没2020』災害大国・日本の未来か?戦慄の第1話のページです。おたぽるは、アニメ作品レビューの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

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