スキャンダル、結婚、活動休止――アイドルのあり方が問われた、2019年アイドル界振り返り！

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　新元号の発表にわいた2019年。あちらこちらで「気分一新」「今までの枠にとらわれない」といった言葉が聞かれたが、果たしてアイドル界はどうだったのか。例によって、いちヲタクの立場で、その出来事を振り返っていきたい。

　2019年、アイドル界は大きなスキャンダルで幕を開けた。

　1月9日、当時「NGT48」のメンバーであった山口真帆が、動画配信サイト「SHOWROOM」で、2人組の男性に襲われたことを告白した。これに端を発し、問題はまたたく間に拡大していく。

　運営側の謝罪会見、それに対する山口側の反論、そして山口らメンバーの卒業が相次ぐなど、この事件が与えた影響は大きく、最終的にはAKB48グループの選抜総選挙が開催されないという事態にまで発展した。

　事件の発覚から約１年が経つわけだが、正直、まだその影響が無くなったとは思えない。人気の面で坂道グループに押されがちであった48グループにとって、巻き返しのチャンスを失った大打撃であったと言えるだろう。

　一方、そのライバルといえる坂道グループであるが、こちらも世代交代が起きつつあった。

　2月の公演で、「乃木坂46」中心メンバーの一人であった西野七瀬が卒業、9月には長くキャプテンを務めていた桜井玲香が卒業し、秋元真夏が新たなキャプテンに就任した。一方で、9月に発売されたシングル「夜明けまで強がらなくてもいい」（SMR）では、4期生の遠藤さくらがセンターに抜擢されたほか、10月から始まった番組『乃木坂どこへ』（日本テレビ系）では、4期生がメインで出演するなど、メンバーの新陳代謝が進んでいる印象だった。

　一方、坂道グループ全体で見てみれば、それまで「けやき坂46」（通称：ひらがなけやき）として活動していたグループが、2月から「日向坂46」として生まれ変わり、3月にデビューシングル「キュン」（SMR）を発売。その後も2枚シングルをリリースし、年末の『第70回NHK紅白歌合戦』にも初出場を果たすこととなった。

　正直、好調であった2つのグループの間に位置していた「欅坂46」がやや低迷しているようにも感じるが、それぞれのバランスを保ちながら、新しい形を見せてくれるようであれば、坂道グループとしては、当面安定するのではないかと思う。

■アイドルの結婚問題がクローズアップ

　さて、年明けのNGT問題が話題となっていた頃、同じ新潟の地で、印象的なことが起こっていた。それが、新潟を拠点に活動しているアイドルグループ「Negicco」のリーダー・Nao☆の結婚である。

　お相手は、バンド「空想委員会」のベーシスト岡田典之で、2月に婚約を発表し、4月に入籍した。この結婚が大きく話題となったのは、Nao☆が結婚後もNegiccoの活動を続けるということ、そして、ファンの多くがその結婚を祝福しているということだった。

　これまでアイドルグループのメンバーが結婚した場合、活動をやめたり、ファンが離れていったりというのが通例であった。それが今年は覆されたという意味で大きな転機となったのだ。

　その後、9月には「でんぱ組.inc」の古川未鈴が、漫画家・麻生周一と結婚することを発表し話題となったが、その先鞭をつけたのが、Nao☆の結婚であったのではないかと思う。

　もちろん、彼女たちが祝福され、アイドルとして活動を続けられるのには理由がある。まずは、いずれも10年以上ステージに立ち続け、確固たる地位を築いた存在である点。年齢的にも30歳を超え、いわゆる“適齢期”に入っている点。そして何よりも大きいのが、彼女たち自身が常にファンのことを思い、それを発信し続けていた点だ。信念を持ってアイドルをやっていた人なら、きっと結婚についても真摯に向き合っていることだろう、そう思わせられるのが、なにより彼女たちの力なのだ。

 
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