業績が急激に悪化した「いきなり!ステーキ」。店舗の大量閉店を告知したことで、これまでチャージタイプの肉マイレージを使っていた顧客が一斉に使い切りに走り、儲けはでないのに肉ばかり出ていく<肉損ショック>が、新たなスタイルの取付騒ぎとして話題になっている。
登場以来、ステーキが安く大量に食べられるとして話題になった「いきなり!ステーキ」。流行に乗って店舗展開は猛スピードで進んだ。筆者の事務所の周辺も牛丼屋と同じくらいの勢いで出店が続き、これは便利になったかと思いきやそんなことはナシ。
ただでさえ飲食業をはじめとしたサービス業が人材の確保に苦労しているわけで、接客の質はどんどん低下しているのが目についた。
もっとも、質が低下したといっても、ほかの飲食チェーンに比べると十分マシ。
これまで注文してもまったく食べ物が出てくることなく、積み重なった使用済みの食器を抱えた店員が「どうしよう!どうしよう!」とブツブツ呟いている某所のすき家であるとか、異常に威勢良く「いらっしゃいませ」というのに注文した品が必ず間違えられる吉野家とか、破綻寸前の店舗というものには、けっこう遭遇したことがある。
それに比べると「いきなり!ステーキ」の接客レベルの低下はホール担当のもたつきと、調理担当の手際の悪さで店名にあるように「いきなり」出てくる感がなくなったくらいである。
さて、業績悪化と共にあちこちから浮上しているのは「いきなり!ステーキ」がマズいという悪評である。いわく「筋が切れていない」とか「脂身が多いとか」「サラダがひどい」などなど。しかし、上り調子だった頃は絶賛されていたわけで、値上がりしたとはいっても、そんなに急激にマズくなったとは思えない。
というわけで、改めてランチタイムに店を訪れて見ることに。注文したのは、定番の「ワイルドステーキ」。やっぱりコスパからいうと、これが最良の選択。
筆者は、なるべくレアな状態でなにもつけずに喰らった後に、醤油とワサビで楽しむのが好み。ここ1カ月あまりはご無沙汰だったのだが……相変わらず美味い。
筆者の場合「いきなり!ステーキ」に足を運ぶのは、だいたいどうにもやってられない時である。肉を食うという儀式によって活力を得ているのである。だから、スルっと切れる高級レストランのようなものではなく、分厚くて雑にガシガシと切れるほうがよい。
その点、ランチタイムのゆで太郎でサラリーマンのおじさんがカツ丼とかけそばを勢いよく食べてから、コップの水を飲み干して「よっしゃ!」と出ていくようなスタイルでステーキが食べられる「いきなり!ステーキ」の価値は極めて高い。
でも、当初のウリであった好きなグラム単位で量り売りを利用するとどうか。こちらは、そんなに安いワケでもなく「これなら、焼肉屋のランチでも」と思ってしまう。
「いきなり!ステーキ」がマズいというのは、やっぱり悪評に過ぎない。でも、量り売りの割高さを見抜かれて客足が遠のいているのは事実。もう、ワイルドステーキだけを売っている店になっていいんじゃなかろうか。
(文=昼間 たかし)
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