いつかきっと謎は解けるはずさ!――ドラマ『ルパンの娘』最終話

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YouTubeチャンネル「フジテレビ番組動画」より

 人生は解けない謎に挑んでいるようなものだ。

 別に事件や策略に巻き込まれたわけではなくとも、周りを見渡してみれば、不思議に思うことはたくさんある。その謎に挑んで解決できた時、人は幸せを感じるのではないだろうか。

 細かなことで言えば、知らないことをネットで検索して、納得した時に得られる満足感。大きなことならば、探し求めた末に「この人!」と思える人と出会って、生涯をともにすることの幸せ。得てして、謎の先には心が晴れるような爽快感が待っている。推理モノのドラマや小説の魅力は、そんなところにあると思う。

 ドラマ『ルパンの娘』(フジテレビ系)も最終回。これまで示された謎が次々と明かされる、見ていて実に気持ちのいい展開となった。

 

■本当の犯人は?

 結婚式の会場から、新郎である和馬(瀬戸康史)を盗み出した華(深田恭子)たちLの一族。自宅マンションに戻り事情を説明している時、この事件の黒幕である元警視総監の巻英輔(浜田晃)が押しかけてくる。一緒に来た彼の手下によって、和馬は式場に戻らされ、華たちは取り押さえられる。そこで、華の父・尊(渡部篤郎)は、真相を話し始める。

 発端は60年前。キャリアの警察官になったばかりの英輔は、先輩刑事の不正の証拠を、Lの一族に盗まれてしまった。それを取り戻すべく、若き日の華の祖母・マツ(深田恭子・二役)を襲ったのだ。それから60年、英輔は警視総監まで上り詰め、マツの夫である巌(麿赤兒)は、犯人が彼であることを突きとめた。

 巌から「天罰をくらわせる」と連絡を受けた英輔は、巌を殺害することを計画する。そして彼が、指示した相手は……。

 その頃、式場に戻った和馬は、新婦・エミリ(岸井ゆきの)と彼女の従兄弟で、和馬の上司でもあった巻栄一(加藤諒)の元へ行っていた。和馬は、これまで調べた証拠を説明し、犯人を追い詰める。そう、巌を殺したとされる犯人、それは他ならぬ巻栄一だったのだ。

 栄一は、エリートばかりの巻家では落ちこぼれだった。少しでも祖父である英輔に認められようとして、犯行に及んだのだ。そして、エミリもまた、英輔の指示で和馬に近づいたのだった。このあたりの経緯は、栄一やエミリに同情する部分もある。他の親族と比べられて、出来が悪かったり、人付き合いが苦手だったり、そんなコンプレックスが今回の事件の引き金にもなっていたのだろう。事件の背景にある、人間の心情も描いているところが、このドラマの魅力のひとつだ。

 多少深読みしすぎるかもしれないが、英輔の気持ちにも思いを巡らせることもできる。警察官になった頃、彼だって正義のために働きたいと思っていたのではないだろうか。そこで直面した周囲の不正。もしかしたら、それをリスト化していたのだって、いつか告発しようとしていたのかもしれない。けれど、出世欲のために冷酷な人間となり、こんな事件を引き起こしてしまった。人は変わる。狂う。自らの保身と、欲のために。巻英輔からはその悲しみを感じることもできるのだ。

 こうして真相を暴いた和馬だったが、英輔の配下の者たちによって追い込まれてしまう。

 一方、三雲家では、家族が英輔に追い詰められていた。もはやこれまでかと思われた時、現れたのは、死んだはずの巌だった。実は、殺されたのは、巌がなりすましていた立嶋雅夫本人であり、巌は自分が死んだように見せかけて、犯人を探していたのだ。

 巌が現れたところで形勢は逆転する。これまでのやり取りは、全て結婚式場に生配信されていた。尊たちは、英輔を社会的に抹殺するために、この犯行を仕組んだのだった。

 脱出しようとして乱闘になる三雲家。危機に陥った時、和馬の祖父・和一(藤岡弘、)が現れる。バイクに乗って颯爽と登場する姿、もちろん、藤岡が昔演じていた仮面ライダーへのオマージュであろう。ともに戦い、60年前の思いを遂げる巌と和一。2人が取り合っていたマツ(どんぐり)とともに懐かしさに浸るのだった。

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