「小説家になろう から死刑勧告が来た」――「なろう」の18禁表現制限の是非が話題に ガイドラインを明確にしない理由

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小説家になろう/ガイドラインより

 大手投稿サイト「小説家になろう」に投稿した自身の作品に18禁表現があるとして、修正を迫られた作者の困惑の文章が議論を呼んでいる。

 議論の発端となったのはnoteに投稿された「小説家になろう から死刑勧告が来た」と題する文章(外部参照)。

 ここで投稿者の大渡鴉氏は「小説家になろう」運営サイドから送られてきたメッセージを公開し、これまでの経緯を説明している。

 問題となっているのは、大渡氏が「小説家になろう」に投稿している「魔王ガチャ引いたら人間のクズが来た件」という自作の小説だ(外部参照)。

 運営サイドは、この小説の中に18歳未満に不適切だと思われる描写があると指摘し、改稿か削除を求めている。

 これに対して大渡氏は「しかし拙作は連載の上、当該箇所は複数とメッセージにもあります。どこを修正すればよいのか検討がつきません」として、具体的にどこを修正すればいいのかを問い合わせた。

 これに対しての運営サイドの「違反対応基準の情報は非公開」というものであった。これに対して、大渡氏は再度の問い合わせを行っているが運営サイドは判断基準の公開を断る旨を返答してきた。

 大渡氏は「小説家になろう」の態度に対して、困惑をしている様子。noteの投稿の末尾では

規制って何ですか?

エロは何で駄目なんですか?

グロは何で駄目なんですか?

表現の自由って何ですか?


誰か教えて下さい。

誰でもいいから教えて下さい

 として、締めくくられている。

 この問題 「小説家になろう」で発生したことで話題となっているが、実は創作の世界ではよくある問題だ。とりわけ男性向けの18禁ではそうである。

 是非は別として、現状では男性向け18禁では性器の描写は修正が必要でる。この修正もガイドラインや一律の基準があるわけではない。その時の世の中の動きや警察の態度を掴んで「空気を読む」ことが要求される。

「表現の自由」とは、ほかの権利と違って「こういうものだ」という範囲が示されているのではなく、流動的なものなのだ。18禁マンガを扱う同人誌印刷所などは「空気を読む」ということがわからない顧客に「ガイドラインを示せ」と日々、迫られているという。

 もしもガイドラインを示した場合には、最終的にはガイドラインに抵触するかどうかわからないので、とりあえずNGにしておこうという判断が増加する。結局は表現の幅がどんどん狭まることになるのだ。

 表現をするというのは、たかがサイトの運営と戦うことではない。

 さて、問題となった大渡氏だが読んでみるとリピドーが溢れていてけっこう読み応えがある。せっかく、途中で飽きずに描き続けている才能があるのだから、18禁OKの投稿サイトに場を移して続きを書けばよいのではないかと思う。
(文=昼間 たかし)

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