「物事が“ヘタ”なとき、そこにはパターンや規則があるのではないか? そのパターンを知ればウマくなる手助けになるのではないか?」
この仮説のもと、当連載「ヘタの研究」では物事の「ウマい、ヘタとは何なのか?」をその道の専門家に伺っている。今回のヘタの研究のテーマは演技。大根役者はなぜ大根になるのか?『人前で変に緊張しなくなるすごい方法』(アスコム)の著者でありアイゼ演技ワークショップで演劇指導を行う伊藤丈恭氏に伺った。
■「芝居をやってやる!」という役者の気合が、ヘタな演技を生む?
――ドラマなどを見ていて、棒すぎたり、逆に不自然すぎてみている方が恥ずかしくなってしまうような演技ってありますよね。
伊藤丈恭氏(以下、伊藤) やりすぎ(不自然)と押さえすぎ(棒)ですね。
あと、そのほかにもヘタな演技には「1つの感情しか出さない」ケースもあります。例えば今こうして僕は取材を受けている間も、さまざまな感情が動いています。しかしここで、「取材を受けているのだから“緊張”かな」と思うと(露骨に緊張しているようにふるまう伊藤氏)、また、「聞かれている立場だから“偉そう”かな」と(露骨に偉そうにふるまう伊藤氏)。
――「緊張」オンリーの伊藤さんも、「偉そう」オンリーの伊藤さんも、なんだかわざとらしくなっちゃいますね。芝居がかったといいますか……。
伊藤 1つの感情だけになっちゃうからなんです。日常生活を思い浮かべてみると1つの感情だけが支配している局面なんて、ほとんどありません。「怒りと不安と緊張と」などいろいろな感情が渦巻いている。ですが、演技がヘタな人は、1つだけをやろうとしてしまうんです。そうしたほうが楽だからなんですが、わざとらしくなるんです。
そもそも「演技をするぞ!」とスイッチがオンになってしまうことで、どうしてもお芝居をやってる感じになってしまうんです。できるだけ僕は日常生活と同じような感覚でやりたいと思っています。ただ生徒の中には普段と同じような感覚でやっているとお芝居をしているような感覚になれず、物足りなさを感じてしまう人もいます。
――そして「演技するぞ!」スイッチを入れて暑苦しい演技になってしまうと……。
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