『スプリガン』アニメ化は今度こそ成功するのか  劇場版の失敗を繰り返さないで……

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『EMOTION the Best スプリガン』(バンダイビジュアル)

『スプリガン』がアニメ化されるぞ。原作・たかしげ宙、作画・皆川亮二で1996年まで「週刊少年サンデー」(小学館)などで連載された傑作である。超古代文明の遺したオーパーツを守る組織・アーカムのエージェントである御神苗優たち「スプリガン」の活躍を描いた戦い。普段は、ダメな高校生を装いつつも実はスゴ腕の御神苗優。そして時に対立し、協力する仲間たち。次々と現れる強敵や内部抗争など、連載当時の世代にとっては「読んだ?」が必ず話題になった作品だ。

 しかも今回、アニメ化がなされるのは動画配信サイト「Netflix」においてである。昨年配信された『DEVILMAN crybaby』も好評の「Netflix」だけに、早くも良作が期待されている。

 期待が盛り上がる理由は、もう一つ。過去のアニメ化でガックリときたファンが多かったからである。そうファンなら覚えている、あの劇場版だ。

 1998年に公開された劇場版アニメの前評判は高かった。ポスターのキャッチ「戦って、死ね。」の一文はとてつもなく格好良かった。なにより、総監修・構成などで大友克洋、キャラクターデザインに江口寿史が参加おり、世界に通用する一流スタッフによる傑作が期待されていたのである。

 だが、劇場を訪れた観客は90分あまりの間に幾度も呆然とさせられた。とにかく絵は美麗でアクションシーンの出来映えは素晴らしい。だが原作のエピソードである「ノアの箱舟」編に、基本設定の説明シーンを加えたことでシナリオのテンポは極めて悪かった。なんだかよくわからないうちにアクションシーンになるわけで、キャラクターへの感情移入もなにもあったものではない。原作の人気もあってか、そこそこの興行収入はあったものの、多くの人は知ったのだ。「一流のスタッフが集まっても、傑作ができるとは限らない」と。

 そうした反省も踏まえ、今回は原作ファンも初見の視聴者をも歓喜させる作品になるのか。今度こそ熱くなれる作品を期待している。
(文=是枝 了以)

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