撮影場所への理解が足りなかったのか……「房総のむら」コスプレ“撮影禁止”に博物館側も苦慮

 コスプレ撮影の名所がマナー違反の多発で、受け入れ中止を余儀なくされてしまった。千葉県にある、博物館「千葉県立房総のむら」での出来事だ。

 ここは、江戸時代などの街並みを再現して展示する野外博物館で、千葉県民にとっては小学校の遠足の定番スポットとして知られている。それと同時に多くのコスプレイヤーにとっては「対応も親切な撮影スポット」として利用されてきた。

 そんな博物館が、コスプレイヤーの受け入れを中止した理由は、利用者のマナー違反。これまで「房総のむら」では、撮影の申し込みがあった場合、利用者と服装などを打ち合わせた上で許可してきた。

 ところが、実際の利用の際に申し込み時とは違う行為に及ぶ事例が多発していたのだという。

「うちは時代背景を重視した博物館なのですが、申し込みの時には和装だったのが、実際には洋装だったり……」

 そう話すのは「房総のむら」の担当者。時代背景が合わないだけならまだしも、過度に肌を露出させた衣装などの例も「統計は取っていないが、目立つようになってきた」のだという。さまざまなマナー違反が中止に至る理由だったようだが、来館者に街並みなど江戸時代の風景を体験してもらう博物館のコンセプトが崩れてしまうことが、もっとも問題になったようである。

 刀などの長物を用いた撮影や、撮影のために展示物を移動する行為も、マナー違反であると共に、博物館のコンセプトを理解した上で利用しているのか疑念を感じさせるものとなったようだ。

「撮影の際には、コスプレイヤーもカメラマンも、よりよい写真を撮ろうと思いテンションが上がってモラルを失いがち。鉄オタが撮影のために線路沿いの立木を勝手に切ってしまうのと一緒です。他人事だと思わずに気をつけなくては……」(コスプレカメラマン)

 これまで、理解ある撮影地だった「房総のむら」のコスプレ撮影禁止は、多くの利用者にショックを与えているが、それは「房総のむら」も同様だ。

「多くの方は、ちゃんとマナーを守って利用していただいているので、本当に申し訳ないと思っています。再開するかどうかは、これから検討する予定です」(前述担当者)

 なお、公式サイトでも記されているが、コスプレは禁止とするものも、時代背景に即した通常の和装での入館は従来通りとのこと。撮影云々とは別に、和装で見学して江戸時代の気分を味わってみるのもよいかも。
(文=昼間たかし)

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