『貞子VS伽椰子』BD&DVD発売! 夢の競演&対決を描き切った鬼才・白石晃士監督を新人ホラー小説家が直撃!!

1609_sadakanamain.jpg『貞子vs伽椰子 プレミアム・エディション』(C)2016『貞子 vs 伽椰子』製作委員会

 今年6月に公開され話題を呼んだ『貞子VS伽椰子』。Jホラーのレジェンドがまさかの共演&対決! てっきりギャグ路線かと思ったらマジで怖い! ……と無邪気なお子様からすれっからしのホラー愛好家まで、恐怖のどん底に叩き落としたのは記憶に新しいですね。そんな大ヒット作が早くも12月2日にBlu-ray&DVDで発売されるということで、監督の白石晃士氏にインタビューを敢行しました。

 ご挨拶が遅れましたが、今回取材・執筆を担当する、ホラー小説家の澤村伊智と申します。これまで白石作品を観て何度も震え上がったいちファンとして、そしてホラー界に足を踏み入れた新参者として、優れたホラーの作り手であり偉大な先輩である白石監督にお話を聞くことができて非常に光栄です。それでは早速インタビュースタート!

1609_sadakana02.jpg白石晃士監督(撮影:松沢雅彦)

■VS路線のお祭り感はありつつ「ちゃんと怖く」

──『貞子VS伽椰子』は試写で、そして今回改めてDVDで拝見しているのですが、何度観ても素晴らしいと思うのが、本気で怖い映画になっているところです。ハリウッドならギャグ路線になってしまいがちな対決路線を、直球のホラー映画として成立させている。それは明確に意識されたんですか?

白石晃士(以下、「白石」) そうですね。「怖くしてくれ」っていうのは最初の段階でプロデューサーからも言われていて、私も強く同意しました。たしか「ちゃんと怖くないといけないと思います」という風に答えた記憶があります。ただ同時に、VS路線のお祭り感はシリアスな物語の中にもノリとして入れておきたいという気持ちはあって。それが後半の展開になっているのかなと思います。

――劇場公開時のインタビューを拝見すると、貞子と伽椰子のキャラクターをどう同時に出すか、という点で苦労されたと仰っていましたが、この点は?

白石 それは2人――まあ「2人」って言っちゃうとアレかもしれませんけど(笑)――のキャラクターの質が違うので、2人がバランスよく両方目立つように出そうっていうのは結構考えましたね。貞子の「呪いのビデオ」って、元々の設定だと「見たら7日後に死ぬ」ですよね。逆を言えば「その7日目までは死なない」わけですよ(笑)。元の『リング』はその間にいろいろ探っていると霊の気配がするのでちゃんとホラー映画にはなっていますけど。

 ただ、一方で『呪怨』の伽椰子は「家に入ったら死ぬ」――どんどん殺しちゃうわけです。最初から2人を出して「呪い殺す合戦」「殺したカウント勝負」にすると、どう考えても伽椰子が勝ってしまう。だったら伽椰子の登場は遅らせるしかない。そう判断して伽椰子の登場はクライマックスの直前にしました。それまでは俊雄だとか、あと近所の噂話だとかで「姿は見えないけど犠牲になった人はいる」という風にして、両者のバランスを保つようにした感じですね。

──設定もオリジナルから変更していますね。『リング』では呪いのリミットは7日でしたが、本作ではわずか2日です。

白石 貞子の呪いの「7日」というリミットは、『呪怨』のスピードに対してあまりにも長すぎるんですよ。なので最初は3日に短縮して脚本を書いていました。ですがそれでも作品の構成上うまくいかないことが見つかって。困っていたらもう1日縮めたら全て解決するのが分かったんです。「じゃあ48時間で!」ってことで2日になりました。すごい早いですけどね(笑)
 

貞子vs伽椰子 プレミアム・エディション [Blu-ray]

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始球式とかやってたころは、絶対ギャグだと思ってたのに!

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